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【J2:第30節 富山 vs 松本】レポート:双方がタフに戦い抜くも明暗は分れる。富山は押し気味に進めただけに悔しい連敗(13.08.22)

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富山、松本とも最後までアグレッシブに攻め合った。中2日の連戦とは思えない激戦を演じた選手を称えたい。しかし勝負の明暗は分かれた。松本は今季2度目の連勝を飾って6位に勝点4差まで接近。富山は2連勝後の2連敗となり、4日後の次節・山形戦(8/25@富山)でもう一度歯を食いしばらなければならない。

夏場の連戦だが両チームとも中盤で厳しくプレッシャーをかける本来のスタイルでぶつかあり合った。松本は15日に湘南から期限付き移籍したMF岩上祐三が初先発して序盤からプレースキックやロングスローでチャンスをつくった。前半7分、岩上のCKにDF犬飼智也がニアで合わせてゴールを脅かす。同33分には岩上、MF船山貴之を経由してFW長沢駿がエリア内から狙う。同42分にはゴール正面のFK、岩上が壁の下を抜いて右ポストを直撃するシュートを放った。

対する富山は相手のプレスを交わしながら攻め込む。リズムは悪くなかったが、松本に守備陣形を整えられると攻め切ることができない。途中でボールを失ってシュートやクロスまでなかなか持ち込めなかった。ハーフタイム、安間貴義監督は「とにかく挑め。相手の絵(ゴール前を固めた陣形)は隙がなく見えるかもしれないが挑め。果敢に行って、奪われたならば奪い返してスペースに出て行け」と伝えたそうだ。ホームでの勝利を目指して仕掛けの回数を増やし、主導権を掌握。後半のシュートは11本にのぼった。

後半3分、MF朝日大輔の右からのクロスにFW白崎凌兵が飛び込む。同10分にはMFキム・ヨングン、同12分にはMFソ・ヨンドクが惜しいシュートを放った。同22分にMF森泰次郎の左からのクロスが際どくゴール右へ。そして同36分にはFW苔口卓也のセンタリングがGKの目前でキムに収まったがシュートがヒットせず、先制点の絶好機を逃した。
松本はその直後の38分、MF楠瀬章仁の浮かせたクロスをエリア内でFW塩沢勝吾が頭で落として船山へ。対応した富山DFの足が掛かってPKとなり、船山自らが決めてリード。そのまま押し切って、第22・23節以来の2連勝を果たした。

松本の反町康治監督が「勝った気がしない。(富山が決定機を逃さなければ)0−3で負けてもおかしくないゲームだった」と振り返ったように勝敗は紙一重の差で分かれた。富山の誤算は交代枠2つを想定外のかたちで使わざるを得なかったこと。前半にDF平出涼が負傷し、初先発に抜てきしたMFヤン・ヘジュンが経験不足からか疲労して後半13分に退いた。本来ならFWを投入してもうひと押ししたかった時間にそれができなかった。前節の徳島戦に続きPKで先制点を許したことも含め、プレー内容が良いだけに勝負運のなさを感じてしまう試合になった。
反町監督は「消耗戦で正直言ってどちらに転んでもおかしくないゲームをものにできたのは、夏のこの時期に足を止めずに最後までできた証拠。もうひとつ証拠をみせなければいけない試合が週末にあるので、そこで我々の真価をみせたい」と語った。敗れた富山も最後まで奮闘したからには同じ意気で次節に挑み再起しなければならないだろう。

以上

2013.08.22 Reported by 赤壁逸朗
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