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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第30節 千葉 vs 群馬】レポート:不足していた『裏を取る』プレーは見えた千葉だが、攻守の課題や試合運びのまずさで勝ちきれず。群馬が攻めきる意識のプレーが実って追いつく(13.08.22)

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0−1のスコアでハーフタイムに入る時、そして群馬に追いつかれて2−2の引き分けに終わった時、千葉サポーターからは少なからぬブーイングが起こった。今季2度目の連敗から中2日の今節で千葉がどう戦うのか。勝ちきることを願っていたサポーターには酷な結果、スッキリしない内容だったからではないかと思う。これで千葉は2位の神戸との勝点差が8に開き、徳島に勝点で並ばれ、J1自動昇格にはますます厳しい状況となった。それでも本当に小さいことでしかないが、筆者は前節からの変化に期待したい。

勝ち試合でもあったことだが、今季の千葉は鈴木淳監督が言う『裏を取る』プレーが少なく、クロスからの得点に固執しているかのような攻撃の形、得点するためではなくポゼッションのためのようなボールポゼッションになる傾向があった。パスは足元でつなぎ、スペースへパスを出してスペースに飛び出した選手がシュートまで持ち込むような攻撃が少ない。だが、今節は例えば20分の千葉の最初の得点機では、ドリブル突破を仕掛けた谷澤達也が左前方に入って行く大塚翔平にパスを出し、大塚は動きながらノートラップでシュートを打った。そして、30分には伊藤大介の縦パスを米倉恒貴がヒールで群馬の選手の間のスペースへ流し、走りこんだナム スンウのダイレクトシュートがゴールポストのわずか横という決定機を作った。これが先制点になっていれば、試合展開は違ったものになったかもしれない。それはもちろん俗に言う「たら」「れば」の話だ。だが、前節の千葉はこんな形の得点機がほとんど作れず、緩急の変化や勝負のパスが乏しかった。

今節は右サイドハーフでスタートしたことで「裏を狙うパスがまだまだ少ないと思った」米倉は、ナムへのパスについて「その前にナムが見えていたので」と話した。そして「裏に動き出している選手がいると思うので、そこを見る、そこにパスを出すというチャレンジをもっとしたほうがいいと思う。自分もDFをやったので分かるんですけど、そういうチャレンジのパスを通されるということは精神的にも結構疲れることがあるので」と語った。連敗した第28節・北九州戦は3回、第29節松本戦では0回だった千葉のオフサイドは、今節は後半のイージーなミスの1回を除けば5回。タイミングが合わずにミスでオフサイドになったが、『裏を取る』チャレンジをしたからこそ増えたのではないだろうか。

セットプレーのこぼれ球を粘り強く拾って小林竜樹がヘディングで押し込み、先制点を奪った群馬は、千葉と違って流れの中での攻撃に迷いがないように見えた。スペースへのパス、走ってパスを受ける動きは千葉の脅威になっていた。もちろんパスミスやシュートの精度不足という課題はある。だが、横山翔平の同点ゴールはシュートが千葉の選手に当たってコースが変わり、千葉のGK岡本昌弘が逆を突かれたようで反応しきれなかった。それは群馬のチームとしての攻めきる意識、シュートで終わろうとする意識の賜物だろう。90+2分にはこぼれ球から千葉の大岩一貴がフリーで打ったシュートをGK北一真が好セーブ。2失点したもののチーム全体の守備意識は高く、勝点1はしっかり持ち帰った。

またもやセットプレーのこぼれ球から失点し、攻めきれないことでカウンター攻撃を受けるのが目立った千葉。6連勝中にはリード後は手堅く守備的な選手を入れた鈴木監督が、深井正樹を入れ、味方に合わないフリックパスが目立ったうえに動きが鈍ったナム スンウを残した采配にも疑問は残る。勝ちきれなかったのは非常に痛い。だが、『裏を取る』だけでは勝てないにしても、意識次第で対戦相手が嫌がるプレーへ変わることを見せた選手はいた。できないのならば仕方がないが、できるはずなのにやらず、楽なほうへ逃げるのは許されない。監督のスタメン選考や配置がどうであれ、選手にはピッチに立ったからには勝つために必要なことをまず考え、勇気を持って責任を果たすプレーをしてほしい。

以上

2013.08.22 Reported by 赤沼圭子
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