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降格圏内の21位に沈み、Ｊ2残留に向けて苦境が続く21位の鳥取が、1年でのＪ1復帰に向けて順調に歩みを進める、首位のＧ大阪をホームに迎える。
鳥取は28節終了後、成績不振を受けて小村徳男監督を解任し、強化部長の前田浩二氏が兼任で新監督に就任。初陣となった前節の栃木戦は、前半にセットプレーから先制したものの、後半に追い付かれ、1―1の引き分けだった。前田監督は、改善できた面もあったとした上で、勝点1にとどまった要因について「『詰めの甘さ』と『スキ』。我慢強くいかなければいけない試合で、チャンスはあったので、最後の詰めで仕事をしなければいけない。失点シーンはセカンドボールへの対応で、全体の距離感などで一瞬、スキができた」と語っている。
これで7試合未勝利となり、うち5つが引き分け。負けない粘りは発揮できているものの、それを勝点3にまでつなげることができない。降格圏内の21位まで後退したことで重圧も増しており、相手が首位であれ、とにかく勝利が欲しい状況となっている。
Ｇ大阪は前節、ホームで札幌を下して3連勝。連敗した2位・神戸との勝点差を7に広げ、盤石の態勢を築きつつある。宇佐美貴史とロチャがチームにフィットし、前節、貴重な先制点となるＪ初ゴールを挙げた西野貴治など、若手の台頭で選手層も厚くなっている。シーズン終盤を余裕をもって戦うためにも、ここでスピードを緩めず、一気に差を広げておきたい状況だ。
両者に力の差があることは間違いないが、前田監督は「サッカーはレベルの差があっても勝てるスポーツ。したたかに相手のスキを突いていけるようにしたい」と意気込む。鳥取が勝機を見いだすために必要なのは、先制点だろう。11節、Ｇ大阪のホームで対戦したときは、粘り強い守備だけでなく、ボールを奪った後の積極的な攻めが光り、前半を0―0で終えると、57分に先制点を奪って流れを引き寄せている。
ただ、当時のＧ大阪はホームでなかなか勝てないなど（鳥取戦までの5試合で1勝4分）、調子が上がっていなかった。ゴールが奪えないと焦りが出てくる傾向も見られたが、本来の力を発揮している現在は、慌てずに試合を進められるようになっている。前節の札幌戦も、前半はピンチもあったが冷静に0―0でしのぎ、後半に先制した後は一気に突き放して、終わってみれば3−0の快勝だった。
鳥取は今回も、0―0でしのぐだけでなく、先制点を奪うところまでいけるかが問われる。逆にＧ大阪は、早い段階でのチャンスを生かせるかどうかで、主導権を握れるかどうかが決まるだろう。
今季の各地でのＧ大阪戦と同様、今回も鳥取は多くの観客が訪れることが見込まれており、鳥取のホームゲーム史上最多となる1万人超えの可能性も十分にある。スタジアムの雰囲気も、いつもとは違うものになるはずで、鳥取としては、その中で冷静にゲームプランを遂行することも、勝利への必須条件と言える。8月のホームゲーム4試合で、人気サッカー漫画「ジャイアントキリング」とのコラボ企画を行っている鳥取。メインイベントとなる今回、首位相手に現実とすることができるか!?
以上
2013.08.20 Reported by 石倉利英
