8月8日の練習中に、ボランチのエステバンが左足甲を負傷し、全治4週間という診断を受けた。その週末のアウェイ岐阜戦は、田中英雄と橋本英郎の“W−HIDE”ボランチに。試合は神戸が攻めまくったものの、前半の1失点を跳ね返せないまま痛い敗戦となったが、この“W−HIDE”の連携は悪くはなかった。
57分に攻撃の枚数を増やすために田中英雄が下がり、橋本英郎のワンボランチにシフトした。神戸の安達亮監督は「前半が内容も結果も満足いくものではなかった」と振り返っている。ただ、田中がボールを奪い、橋本に預け、高い位置に上がった田中がくさびのパスを受けて起点を作るというボランチ2人の関係性は機能していたように思う。
特に縦横無尽に駆け回る田中の良さが引き出されていた印象である。この田中の2列目のような動き(パスの受け方)には、高校時代が多少なりとも関係している。
少し前だが、田中には忘れられない試合ができた。6月29日のアウェイ熊本戦である。彼にとってはプロ選手として初めて迎える地元凱旋のリーグ戦。対戦相手には大津高校(熊本)時代の同級生である原田拓がいた。「熊本への想いが無いと言えば嘘になりますし、色々とお世話になった人に自分が頑張っている姿を見せるのは恩返しになる」という強い気持ちで田中はこの一戦に臨んでいた。
そのメモリアルゲームで、田中が「やらせじゃねぇか(笑)」と言うサプライズがあった。普段はキャプテンマークを巻いていなかった田中と原田が、この試合で2人同時にマークを付けたのである。「自分がキャプテンとは思っていなかったけれど、アイツ(原田)がキャプテンだとも思っていなかった(笑)。入場の時にアイツの腕にマークが巻かれているのを見て、2人で“やらせじゃねぇか”と話しましたね」という。神戸と熊本の両監督の粋な計らいかも知れないが、2人はこのエピソードに後押しされるように躍動した。田中が「アイツ(原田)も普段はあんなに前まで上がっていかないのに上がっていましたし、相当な気合が入っているのは分かりました」と話すように、原田はこの試合で今季初ゴールをマーク。田中も積極的に攻め上がり、惜しいゴールチャンスもあった。この地元での同級生ボランチとのマッチアップで、田中の身体にはある感覚がよみがえることになる。2列目の動きである。
大津高校時代のプレーを振り返り、田中はこう話す。「ポジションは原田が後ろで、自分がその前。アイツからパスを受けるプレーが多かったですね」。
前々節の岐阜戦で言えば、橋本英郎との関係性に近いのかも知れない。先ほど縦横無尽に駆け回る田中の良さが引き出されたと記述したが、それは橋本によって田中の持つ2列目の能力が引き出されたと言い換えることもできる。
エステバンの離脱は痛いが、逆に“W−HIDE”というケミストリーがチームに新しい風をもたらす可能性も充分。これを好機と捉えたい。
以上
2013.08.19 Reported by 白井邦彦
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】神戸:「W−HIDE」(13.08.19)
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田中英雄と橋本英郎の「W−HIDE」。写真:8/18山形戦より
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写真:6/29熊本vs神戸戦より。大津高校の同級生、原田拓と田中英雄がお互いにキャプテンマークを巻く。
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