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【J2:第29節 山形 vs 神戸】レポート:打ち勝った山形がようやく後半戦初勝利! 首位を追う神戸は今季初の連敗。(13.08.19)

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最近4試合連続で先制し、シュート数で上回りながらもその間、3分け1敗と勝ちきれなかった山形が、先制されたこの試合を逆転でモノにした。シュート数でも11対17と神戸に大きく上回られているにもかかわらず。時にサッカーは、誰にも描けないストーリーを提示する。

7試合勝利から遠ざかっている山形は前節からゴールキーパーを含む先発5人を入れ替えているが、特に注目されたのが山田拓巳、中村太亮の若い両サイドバック。超攻撃的な山形のスタイルを形づくる象徴的な選手としてシーズン前半に活躍したが、失点を抑えるためにポゼッションを増やし安定した方向を模索する最近のチーム事情のなかで出場機会を減らしていた。その2人を含む選手入れ替えについて、奥野僚右監督は「より積極的にチャレンジしていきたいというなかで、攻撃的な部分を前面に出せる選手、また、ホームゲームでそういった攻撃的な姿で勝点3を奪いたい」とその思惑を明かしている。

高温多湿、弱風のキックオフとなった序盤は、互いにロングボールで陣地を奪い合う。神戸の奥井諒や岩波拓也からは、高いラインを維持する山形の背後に何度もボールが送られた。特に左サイドバック・中村太亮の裏ではポポや都倉賢が収め、クロスからフィニッシュを狙うシーンもあった。山形もロングボールの精度自体は高くなかったが、セカンドの球際でマイボールにするケースが多く、そこから裏への飛び出しやボールを追い越す動きを続けてペースを握る時間もあったが、パスのタイミングが合わず攻撃を完遂できないケースが頻発した。

山形が敵陣でパスを回すようになった30分過ぎ、神戸のシンプルだが質の高いプレーが均衡を破る。右に開いた岩波からのクロスを中央で都倉が落とし、距離はあったが小川慶治朗が胸トラップからドライブがかかったミドルシュートを山形ゴールに突き刺した。「あの場面に関してはゴールが見えていたし、トクさんの落としもよかったので、ゴールだけを考えて打ちました」と小川。ポスト役を果たした都倉は左サイドに張った状態から中に入ってきたが、山形はマークしていた山田から石井秀典への受け渡しが中途半端なため、フリーでのプレーを許すことになった。「前半あの時間帯で点を取って、神戸のゲーム運びで前半を終えることができたので、そこは今日はよかった」(小川)。先制した試合で8割超の勝率を残している神戸にとっては悪くない前半だった。

しかし先制しても勝てず、ついに5試合ぶりに先制点を奪われた山形もあきらめてはいなかった。「ハーフタイムの選手たちの顔色を見ても、ここからひっくり返してやるという凄い意欲と気力を感じました」(奥野監督)。その気迫で入った後半、52分のコーナーキックから林陵平がヘディングを決めてまずは同点。さらに66分、右サイドの山崎雅人からバイタルでパスを受けた伊東俊はきっちりと収めることはできなかったが、なんとかコントロールを続けているとこぼれ球を引き取ったロメロ フランクのミドルシュートで逆転した。しかしその4分後、フリーキックからのパス2本でフリーになったマジーニョ選手が鮮やかなミドルシュートを決めて2-2。試合はまたも振り出しに戻った。

ここから田代有三、森岡亮太を投入し攻撃陣のカードを切った神戸は、すでに足が止まりかけている山形のバイタルエリアで起点をつくり始めていた。82分にはスローインのボールを受けた小川が中央へ運んでからミドルシュートを放つが、山形は寄せる足が遅れ、かなり危うい守備を続けていた。その時間に飛び出したのが83分、山形の決勝点。左サイドのタッチライン際でパスを受けた伊東がターンすると、内側からは途中からボランチに入った三原雅俊に寄せられていたため、縦にドリブル開始。そこに奥井が待ち受けていたが、スライディングで奪いに来たところでうまくかわし、前方のスペースへと持ち運ぶと、中央から中島が走り込んできたのを確認してクロスを送った。中島はボックスの中に入ったところでトラップから強烈なシュート。狙ったコースではなかったが、イに当たってコースを変えたボールはゴールマウスに吸い込まれた。勝ち越した山形は神戸の怒濤の攻撃をしのぎきり、8試合ぶりの勝利を挙げた。

勝利の瞬間、選手たちが膝からバタバタと崩れるシーンは、体力の限界を超えてプレーし続けたことを物語る。失点パターンは相変わらず集中力を欠いた部分があり、胸を張って「これが勝ち続けられるスタイルだ」と宣言するのは時期尚早だ。それでも、3得点すべてに絡んだ伊東は言う。「点に絡んで勝利したのはうれしいし、大きいですけど、チーム全員で勝利できたことが今日は一番よかったかなと思います」。この試合をターニングポイントに。そのためにも、次の試合が重要になる。

以上

2013.08.19 Reported by 佐藤円
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