8月17日(土) 2013 J1リーグ戦 第21節
柏 0 - 0 仙台 (19:03/柏/11,838人)
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「柏と我々の意地のぶつかり合いだった」。
手倉森誠監督は、この一戦をそう評した。プレビューでも述べた通り、柏と仙台が対戦すると必ずと言っていいほど1点を争う拮抗した展開となる。今回の対戦もまた、その例に漏れず激戦が繰り広げられた。
柏はレアンドロ ドミンゲスがケガから復帰4試合目。まだ本調子からは程遠いものの、徐々にコンディションが上がってきた感はあり、ここ数試合に比べるとボールに絡む頻度が増してクレオ、工藤壮人、ジョルジ ワグネルとの連携でテンポの良い攻撃を奏でる。そしてそのレアンドロの後方を固めるダブルボランチ、大谷秀和、茨田陽生が効果的なサポートと左右への揺さぶりで攻撃に厚みを与え、両サイドバックの攻撃参加を促した。
アタッキングサードまで押し込まれても、最終局面では柏のフィニッシャーたちに仕事をさせなかった仙台の守備も光った。石川直樹によれば「茨田が裏へのスルーパスを狙っているのは分かっていた」ため、サイドのスペースをある程度使われたとしても、中で弾き返せばいいという割り切りもあったようだ。確かにサイドを破られても中央の角田誠と鎌田次郎の両センターバックが果敢に競り合い、GK林卓人の好セーブが柏の攻撃を跳ね除ける。
石川は柏アカデミーの出身で2009年まで柏でプレーをしていた。後輩である工藤とのマッチアップを「先輩としての意地があった」と笑顔で振り返り、「やっぱり代表で結果を残してきただけのことはある」と後輩の成長をはばかることなく褒め称えた。
仙台の特徴のひとつとして、守備の堅さだけではなく縦の速さが挙げられる。奪ったボールを前線のウイルソン、柳沢敦へ付け、彼らのキープ力やタメを生かして2列目が縦へ素早く入るという攻撃の意図は十分に窺えた。
ただ、鈴木大輔、近藤直也、柏の両センターバックも空中戦と地上戦の両方で2トップへのタイトなマークを怠らず、カウンターの起点をことごとく潰す。また、カウンターを受けたとしても、大谷やサイドバックのいずれかはリスクマネジメントの意識を高く持ち続けていたことで、近藤、鈴木とともに守備組織を破綻させずゴール前では冷静に対処できた。第17節の清水戦、あのカウンター2本で2失点を喫した守備の課題に関しては修正できていたと言っていい。
この日は風もあり、連日の猛暑に比べれば比較的涼しい夜ではあったが、それでも真夏の試合だけに終盤にはお互いの陣形にスペースが生じてオープンな展開となるのは仕方がない。
そのスペースを狙い、柏はキム チャンス、橋本和の両サイドバックがスピーディーなオーバーラップで敵陣深くまで侵入して見せ場を作れば、仙台も途中から出場したスピードのある2人のアタッカー、佐々木勇人、武藤雄樹が鋭利なカウンターで押し返す。両チームのサポーターからは歓声と悲鳴が等分に飛び出し、そしてそれはすぐさま落胆の溜息と安堵の表情に変わる。柏も仙台もシュートは11本ずつ。試合内容も互角なら、チャンスの数もほぼ互角と見ていいだろう。
「レアンドロやジョルジにも練習から守備を要求している。タニ(大谷)がうまくコントロールしてくれる時は良い守備ができている。ACLに向けて守備には手応えを感じた」と近藤が振り返れば、鎌田も「1本、2本は危ないシーンはありましたけど、後ろは耐えられたので収穫になった。良い勉強になった」と守備の奮闘には胸を張って答えた。
“スコアレスドロー”という言葉を聞くと、お互いが、あるいはどちらか一方が極端な守備偏重システムを敷き、淡泊な内容の「面白味に欠ける試合」といった印象を与えがちである。しかし「両チームとも守備システムが攻撃のシステムを上回った」(ネルシーニョ監督)というように、互いに勝点3を奪うべく果敢に攻撃を繰り出し、その攻撃に対してお互いが規律ある守備とハードワーク、そして90分間集中力を継続させた質の高いパフォーマンスでゴールを割らせなかったといった、柏と仙台の試合らしい見応えのある激戦だった。
そして試合終了後、仙台のサポーターから次のような横断幕が掲示された。
「日本代表 柏レイソル ベガルタの分まで ACLを勝ち進め!!」
これを見た柏サポーターから万雷の拍手が沸き起こり、さらに柏の選手たちが仙台サポーターの前へ歩み寄って挨拶をする。普段の試合ではなかなか目に掛かることのできない素晴らしき光景に立ち合えたのである。
ピッチ上では堂々と真っ向勝負を挑み、試合が終われば相手にエールを送る。この仙台のスポーツマンシップが、間違いなく激戦のスコアレスドローに華を添えた。
以上
2013.08.18 Reported by 鈴木潤
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