7月6日にJ1が再開する。ユアテックスタジアム仙台では、2010年のJ1以来の対戦となる仙台vs湘南が開催される。この2チームはJ1での対戦こそ同年の2度だけだが、J2時代には何度も好勝負を繰り広げてきた間柄である。
仙台ホームのユアテックスタジアム仙台での試合だけを振り返ってみても…たとえば仙台サポーターにとっては、2009年J2第29節の上位直接対決が印象深いものだろう。これは1点を先行された仙台が、途中出場の中原貴之の強烈無比なヘディング2発で終了間際に逆転勝ちした試合だった。逆に湘南サポーターにとっては、昇格争いを優位に進めようとしていた仙台を3-2の打ち合いの末に阻んだ2007年のJ2第50節が思い出されるかもしれない。それぞれのサポーターに、思い出深いこのカードの記憶があるはずだ。
舞台を2013年の夏に移しての勝負では、特にアウェイチームの湘南が、前回対戦より顔ぶれを変えている。仙台の3年目・武藤雄樹は「湘南は自分と同年代の選手が多く、自分としても負けられない思いがあります」という。その年代の永木亮太や高山薫が中心となる若き湘南は、「運動量と勢いがあって、よく走る」という武藤のイメージ通りのスタイル。キリノの速さや梶川諒太の技術に象徴されるように、スピードやテクニックに優れる選手が多い。守備から攻撃へ素早く切り替えるカウンターが強力で、出足の鋭いプレッシャーを高めの位置でかけてボールを奪い、迷わず複数人が互いを追い越しつつ敵陣に雪崩れこむ。J1の守備陣を相手に苦戦して中断前はリーグ最少の11得点にとどまっているが、中断期間に選手の組み合わせとフォーメーションのバリエーションを増やして、順位アップを狙っている。
迎え撃つ仙台は、この湘南のプレッシャーの波にどう立ち向かうかがポイントだ。仙台も、特に昨季は、コンパクトな布陣を高めの位置に敷いて、相手陣内でボールを奪って…というプロセスのショートカウンターを得意としてきた。それだけで手詰まりにならないように、今季はボールを支配したときの攻撃のバリエーションを増やそうと努力を続けている。
だが、「今季はミスしたところでボールを引っかけられてのカウンターから失点することが多く、相手もそれを狙っている」と手倉森誠監督や選手たちも口にするように、仙台は決定的な一手を繰り出す前に、ボール回しの途中でカウンターを受けることが多い。カウンターだけでもいけないが、ポゼッションだけでもいけないのだ。中途半端なボール回しは、湘南のプレッシャーの波にさらわれてしまう。
「相手がカウンターを狙っていると感じたら、やはりこちらもそれに対処する上で、一度引いたり、ダイナミックなパスをしたり…というのを織り交ぜる必要もある」とは角田誠。今節は最終ラインの要・鎌田次郎が出場停止のために角田がそのポジションに入りそうだが、その彼は相手のプレッシャーの波をときに回避し、ときに受け流すための柔軟な試合運びの重要性を説く。特に、相手が多人数でのカウンターに入って前がかりになった体勢のうちにボールを奪い、その裏を突くクロスカウンターは、組織的攻撃を得意とする仙台の腕の見せ所だ。角田や石川直樹が最終ラインから配球する縦パス、スペースを突く梁勇基のパスやミドルシュート、風向風力関係なくゴール前に飛び出してくる菅井直樹といった手段を繰り出して、湘南の荒波を乗り越えたいところだ。
再開したリーグ戦、そしてこの後に続く短い間隔での試合日程に向けて波に乗る上で、勝利が欲しい両チーム。スタンドの応援とともに熱波が巻き起こる一戦を期待したい。
以上
2013.07.05 Reported by 板垣晴朗
J’s GOALニュース
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