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【J1:第14節 磐田 vs C大阪】プレビュー:“関塚・ジュビロ”、出陣。シンプルかつスピーディーな攻撃でC大阪を迎え撃つ。(13.07.05)

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J1で今季最も早く監督を交代させることになった磐田。5月31日に関塚隆新監督の下でリスタートを切り、キャンプやトレーニングマッチを通して調整を進めてきた。当然、J1において今節が“初陣”となる唯一のクラブであり、その意味ではリーグ再開戦の中で最も注目されるカードだろう。

新指揮官はリーグ中断期間のトレーニングを「チームとして積極的に練習に取り組めた」と総括。リーグ再開へ向け、「積み上げてきたものをどう結果に結びつけるか」と抱負を語った。今節の予想フォーメーションは[4-2-3-1]。今季開幕から続けてきた3バックから昨季磐田が採用していた布陣へ戻ることになるが、スタイルは異なる。

中断期間中のミーティングでは海外サッカーの試合映像を使うこともあったという。その一つがバイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムントが対戦した5月のUEFAチャンピオンズリーグ・ファイナルだった。関塚監督が強調したのは勝敗を分けた決勝ゴールのシーン。自陣からのロングボールを受けたフランス人MFフランク・リベリが前線でキープ。その後方へ猛然と走り込んだオランダ人MFアリエン・ロッベンへ上手くスイッチし、ドルトムントの守備網をシンプルに突破。最後はGKと1対1になったロッベンが冷静にゴールへ流し込み、欧州最高峰の大一番に終止符を打った――。

「アタッキングサードの崩しは追求してきたことの一つ」。新監督はこの1か月の練習をこう振り返る。この中断期間に行ったミニゲームではゴール前で“3秒ルール”を設けるメニューもあった。一方が攻撃を仕掛け、ゴール前に侵入した瞬間に「1!2!・・・」とコーチ陣が声を出してカウントを開始。3秒以内にゴールネットを揺らせなければ得点は認められない。「リーグ中断前もいい時間帯はあった。ただ、この順位にいる原因は何か、ということ」(同監督)。チームの現状を冷静に見つめ、手を加えるべきポイントは分析できている。昨季より森下仁志前監督の下で構築してきた“パスサッカー”と比較すれば、よりシンプルかつよりスピーディーな攻撃が増えることになるだろう。

とはいえ、シーズン途中という難しいタイミングからのチーム作りは道半ば。未知数な部分も少なくない。攻守の要となる前田遼一、伊野波雅彦の日本代表組は7月2日に全体練習に合流。両選手にとっては同日が“関塚・ジュビロ”の練習初日。前田は「やり方がわかりやすいし、理解できている」と話すが、短期間で新チームにフィットすることはけして容易なことではない。関塚監督も両選手について「限られた時間でやろうとしてくれている」とした上で、「チームとして合わせていくという意味ではさらに時間が必要」と話すにとどめた。

この点、チーム全体のフィット感という意味ではアウェイ・C大阪に分があるだろう。6月下旬にヤマザキナビスコカップ準々決勝・浦和戦に臨んでおり、磐田よりも早くリスタートを切っている点は今節のアドバンテージだ。
ただし、第13節・名古屋戦の翌日から2週間をオフとしており、さらに中断期間に練習試合を戦っていないこともあってエンジンのかかりは遅かった。同カップ戦の準々決勝・第1戦では序盤から軽率なプレーを減らせず、レヴィークルピ監督がハーフタイムに「こんなひどいプレーはあり得ない。これは草サッカーか!」と雷を落とす場面もあったが、6月30日の第2戦ではしっかりと修正。布陣を今季のメイン布陣[4-4-2]から昨季のメイン布陣[4-2-3-1]へシフトし、タイトなプレスで序盤から主導権を握った。

結果的にカップ戦は準々決勝で姿を消すことになったが、クルピ監督は前を向く。「第1戦に比べればミスも少なく、プレーの精度も上がってきている。Jリーグ再開戦ではもっといいパフォーマンスで、よりよい結果を出せると思っている」。“ゲーム感”、さらにチームの完成度という点でも現時点ではC大阪に分がある。持ち前の攻撃サッカーでサックスブルーに染まるヤマハスタジアムを沈黙させることになるか――。

J1再開戦の注目カードがいよいよ幕を開ける。

以上

2013.07.05 Reported by 南間健治
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