岡山にとって理想的な展開だった。前半2分、2試合ぶりに先発出場したFW押谷祐樹が左サイドをドリブルで抜け出してロングシュートを放ち、先制弾が決まった。「荒田君(FW荒田智之)が相手DFを引きつけてくれていた。前を向いたらスペースがあったので運んで、開始直後だったし思いきり打った」(押谷)。岡山は第20節・G大阪戦では開始3分にゴールを決めたが、その後、主導権を握られ、追いつかれ引き分けた。しかし今回はその反省を生かし、積極的な姿勢を保ったまま、引いて守る時間の長かった後半もアグレッシブに戦い、勝利した。5月19日、第15節・ホーム徳島戦以来の勝点3だ。
試合前の強雨は、今季だけで何度目だろうか。午後に降り続いた雨はキックオフ前に止んだが、芝は滑りやすい状態となった。そのせいもあってか神戸はパスが繋がらない場面も多く、前回の対戦で見られた怖さはなかった。マジーニョの抜け出しにボランチ・仙石廉が対応し、ポポへのパスをアンカーのDF竹田忠嗣がカットし、ポポのFKはGK中林洋次がパンチングでクリアし、エステバンに対してもシャドーの関戸健二が果敢に向かっていく。岡山は全員の守備の集中が途切れない。
ともに切り替えが早く、ボールは目まぐるしく両陣内を行き来するが、先制の流れから前半は岡山がより多くのチャンスを作る。前半13分には左ワイド・田所諒のクロスに押谷が落として、荒田がシュート。また前半42分にも荒田のシュートのこぼれ球を、詰めていた押谷が蹴り込む。荒田、押谷、関戸という前線3枚の組み合わせは開幕戦以来だが、ワイドを含めて理想的な連係があった。押谷は荒田の近くでプレーすることを意識していたと言う。「僕とケンジ(関戸健二)のところが空いて前を向けたことは、荒田君の動きがあってこそ」と押谷。
前半はパスミスや組み立てからのスローダウンのあった神戸だが、後半は当然、前掛かりになって点を奪いにきた。そして後半開始早々の決定機は、田代が決めるべきシーンだった。右から抜け出したMF小川慶治朗がDF竹田をかわし、中央でフリーの田代へ。しかし田代のシュートはうまくヒットせず、最大の決定機を逃してしまう。前半からスピードを生かしてペナルティーエリア内に侵入していた2列目の小川はその後もチャンスを作り続けたが、今日の神戸は不思議なほど最後の精度に欠けた。「今日はアーリークロスなどでスペースのあるうちに飛び込むなど工夫が必要で、飛び込んでも決められなかったのは僕の課題」と小川。「ここ2試合、ある程度ポゼッションを意識した距離感でやって来たが、今日はなかなかそれをさせてくれない岡山のディフェンスに苦戦した。リトリートする相手に対しては中から外、外から中を繰り返して、穴を開けられるようなパス回しをしたり、最後はミドルシュートなど個の力になるとは思うが、もっと発揮できたらと思う」と交代で入ったFW都倉賢。
Kankoスタジアムの「平日ナイト1万人チャレンジデー」は、悪天候の影響もあって入場者は7,652人に留まったが、神戸から訪れたサポーターは、メインとバックスタンド合わせて約1,000人にのぼった。4月28日にノエビアスタジアムで掲げられたメッセージの返礼として、岡山サポーターは試合前、「おかえり神戸!!街は違えど我らは兄弟 歴史を共に刻み行こう」という横断幕を掲げた。
後半戦を白星でスタートした岡山。岡山の守備は、DF近藤徹志を含め安定感があり、成熟度を増した印象だ。一方、前線の組み合わせは固定されておらず、その時々の正解があることが良くもあり、悪くもある。4試合ぶりの出場となった千明聖典は、「今までの状況から抜け出すには、どうしても勝点3が必要だった」と話す。
以上
2013.07.04 Reported by 尾原千明
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