両チームともに事情があり、選手構成は前節と異なっていた。鈴木隆行・橋本晃司ら得点源となっている主力選手が欠場となったアウェイ・水戸に対するため、反町康治監督が「並びは4枚で来る可能性もあるなと思った」と語るように慣れ親しんだ4バックも視野に入れていたホームの松本だが、フォーメーションは同じ3-4-2-1でスタートした。ポゼッションに勝る水戸と、カウンター攻撃でチャンスをうかがう松本とスタイルは微妙に異なるためミラーゲームとは言えないまでも、お互いにハードワークや1対1での対応などの部分では負けてはいけないゲームである。
3連敗中という状況を打破するため、新たな力で活性化させるべく松本は2選手を今季初スタメンで起用。清水から期限付き移籍の犬飼智也が川鍋良祐に替わり3バックの一角に座れば、1トップに入ったホドリゴ カベッサもここのところ調子は上がってきており、トレーニングマッチなどでも軽やかな動きは見せていた。この2人の出来も勝敗を分けるカギとなりそうだ。
プレビューでも書いたとおり、松本はリズムを掴むために試合の入りを重視していた。ゆえに先制点がどちらに転がるかが最初のポイントとなったが、14分にセットプレーで、多々良敦斗のヘディングを本間幸司が弾いたところを、「相手のマークを外す動きをした」玉林睦実が流し込み、先制。早い段階での先制点で場内のボルテージは一気に上昇した。ポゼッションに勝る水戸もまずは試合を振り出しに戻そうとチャンスこそ作るものの決定力に欠けてゴールが遠い。すると29分には松本の追加点が生まれる。カベッサが前線で潰れ役となって尾本敬のタックルを受けつつボールをキープ、そこへ走り込んだ楠瀬章仁がボールを拾うや一気に加速。ペナルティエリアへ侵入し、左足で放ったシュートは本間の右脇をすり抜け、ゴールネットへと突き刺さる。この得点に至るまでの一連の流れは、カベッサと楠瀬、両者の持ち味が発揮されたゴールであった。
2点ビハインドの水戸は、このままだとこのままで終わってしまう。バイタルエリアを埋める守備が効いていた西岡謙太に替え、木暮郁哉を投入。テクニックに長けたボランチ2枚で“攻撃モード”へとシフトする。だが、松本も塩沢勝吾などが前線から追いかけて潰すことで両ボランチのパス供給を封じたため、水戸の攻撃はサイド攻撃がもっぱらとなった。しかしこれも松本の3バックが中央を固めつつ集中力を切らさずに弾き返し続け、第18節・岡山戦以来4試合ぶりの完封劇を演じた。
カベッサは得点こそなかったものの前述のとおり攻撃に絡むプレーを見せ、犬飼も巧みなインターセプトでパスの供給をストップするインテリジェンスあるプレーを見せたことは、この先の夏場に向けての収穫となった。一方の水戸はやはり柱谷哲二監督が唇を噛むように「厳しい戦い」だった。鈴木隆・橋本、さらに警告の累積で細川淳矢も出場停止となる次節・群馬戦も試練の一戦となりそうだが、ここで総力を挙げて乗り切りたい。
以上
2013.07.04 Reported by 多岐太宿
J’s GOALニュース
一覧へ- natsuyasumi2024
- jwc2024
- 国立20240824
- pari olympic2024
- bluelock2024
- THE国立DAY
- 2024 明治安田Jリーグ フライデーナイトJリーグ
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグ 2023-24
- はじめてのJリーグ
- 2024天皇杯
- seasonreview2023 Jリーグ1年の振り返り(別ウィンドウで開く)
- シーズン移行の検討
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2023 移籍情報
- 大会概要まとめ
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE