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【J2:第22節 横浜FC vs 栃木】レポート:電撃カズゴールで流れをつかんだ横浜FCが、3ゴールで栃木を圧倒。3連勝で11位に浮上!(13.07.04)

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試合開始16秒にいきなり歓喜は訪れた。「ネイマールのよう」と本人が語るように、日本が誇るレジェンドに、若きブラジルのタレントのイメージがシンクロした瞬間、ニッパツ三ツ沢球技場の雰囲気の全てを、三浦知良が「持って行って」しまった。

そのゴールまでの流れは驚くほどスムーズだった。キックオフのボールは、このゴールのアシストを決めた大久保哲哉をターゲットにロングボールを蹴ることが多いが、この日はあえて繋いだ。
「あれはもう蹴るかなと思ったんですけど、マツ(松下裕樹)が。でも、マツが判断してナカジ(中島崇典)に出して。僕はフリーだったので、あまり中に入らず外でボールを要求していて、ナカジから良いボールが来て。ノザ(野崎陽介)も良い形でボールを落としてた。カズさんとユウト(武岡優斗)が中に見えていたので、足元に強いボールを出そうと。そうしたら、カズさんがすごいトラップをしたんで。あと、あのシュート。トラップはすばらしいですが、あれをふかさずに枠を捉えるのは、さすがだと思いますね」という大久保の証言は、この16秒が精密なセットプレーのように図られた感じすらするスムーズさで進んだことを表している。

松下は「やはりカズさんは雰囲気を作ってくれる。あれでいけると思った」と振り返った。栃木・松田浩監督は「開始直後の1点なので気持ちを切り替えて、しっかり返していけばという試合だった」と語ったように、栃木としては落ち着いて試合を進めればよい状況ではあったが、スタジアムの雰囲気は横浜FC側に傾いていった。
松田監督が「向こうが引いたのか、我々がずっとボールを持つ、支配する時間も増えた」と語ったように、リードで心理的優位に立った横浜FCが、しっかりブロックを作って栃木の攻撃の芽を摘む展開が続く。最初は、栃木もフリーランが少なく攻め手を作れない状態だったが、サイドハーフを中に入れつつ、サイドバックを高く上げるなど、ポジショニングを細かく動かし徐々にダイナミズムを意図的に作り出していく。しかし、この状況に冷静に耐えた横浜FCが1点リードを保って前半を終える。

横浜FC・山口素弘監督は、「サイドをやった武岡、野崎のところがずるずる下がるのが気になって、ちょっと押し込まれラインが上げられなくなり、攻撃の時にパワーを持って前に行けなくなった」とハーフタイムにこの狙いに対する守備を徹底。再び自らアクションを起こす。そして、このアクションが、再び横浜FCに歓喜をもたらす。67分、野崎の粘りから拾ったこぼれ球を、成長著しい佐藤謙介が右足一閃。すばらしいミドルシュートをたたき込む。そして84分、失点した側の松田監督が「3点目は横浜FCの攻撃はすばらしかったと思うし、シュートもすばらしかった」と脱帽したように、左サイドで中島と武岡のコンビネーションで崩しきると、中に詰めた大久保が、前節・松本戦の決勝ゴールと同じ形で3点目を挙げる。その直後に、栃木も近藤祐介のゴールで1点返すものの、それ以上の矢は放てず。試合開始から、心理的優位に立ち続けた横浜FCが、昇格プレーオフ圏チームとの直接対決を制して貴重な勝点3を得た。

横浜FCはこれで3連勝。この5試合で4勝1分と、ようやく追撃に向けた態勢ができてきたように見える。この試合ではカズゴールに目が向きがちであるが、当の三浦知良がその要因を「チームとして意識を持って守備から入る意識付けがあって、回されていても耐えればいいし、厳しい時間があっても凌げば攻撃する時間がやってくるというのを信じてやっている。そこはみんなが、勤勉というかまじめというか、1人もさぼらずにまじめにやっていると思う」と振り返るように、勝利に向けたチームの結束が非常に高まっていることが大きい。この日はケガで欠場したシュナイダー潤之介は(第17節・札幌戦の試合後の山口監督の)「僕らは弱いという言葉を撤回してもらえた」と話したが、札幌戦以降、チームの結束が高まり好循環に入ったことは間違いない。次は、神戸を破った岡山(7/7@カンスタ)。やはり勝たなければいけない上位との直接対決だ。連戦の最後に向けて、この流れを続けたい。

対する栃木は、「負けるべくして負けた試合。ミスが多かった」と松田監督が振り返るように、攻撃のスイッチを入れることがなかなかできなかった。横浜FC・松下は「クリスティアーノが下がることが多くて助かった」と語ったが、攻撃の核であるクリスティアーノに、いかに決定的な仕事をさせるのか。試合中にも、3トップ気味に前に張る時間も意図的に作っていたが、守られたときの攻撃の糸口の作り方に課題が残る試合となった。

水曜日のナイトゲームということで入場者数は決して多くなかったが、カズゴールの雰囲気をニッパツ三ツ沢球技場で味わえた人は間違いなく貴重な体験をした勝ち組。その貴重なゴールは、横浜FCの今シーズンの目標へのジャンプ台。その道筋が少し見えてきた試合だった。

以上

2013.07.04 Reported by 松尾真一郎
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