試合の前後は激しい雨に見舞われたニンジニアスタジアム。キックオフの頃には雨も上がり、夕空の明るさも取り戻した。ただ、日中から降り続いた大雨の影響で、ピッチの全域で水が溜まる悪コンディション。熊本の吉田靖監督は「なかなかボールが動かないグラウンド状況で、どうしても蹴りあいにならざるを得なかった」と試合後に語ったが、両チームともボールをつなぐことはあきらめて雨の日のサッカーに徹した。
その中で、愛媛はスタメンも大幅に変更。石丸清隆監督は「パワーのある選手を急遽スタメンに持ってきた」と漏らしたが、開幕戦以来のスタメンとなるFW高橋泰やDF黒木恭平ら、ピッチコンディションを確認した当日になってメンバーの変更を決断した。それでも、前半はなかなかゴール前までボールを運べない。前半10分には重松健太郎がフリーキックでゴールを狙い、31分にはロングボールから高橋と重松が続けてシュートを放ったが、いずれも熊本のディフェンダーが体を張ってブロック。少ないチャンスもゴールには遠く、さらにこれらは公式記録上はシュートとカウントされず、前半の愛媛はシュートゼロに終わった。
一方の熊本も粘り強く守る愛媛の守備陣を破れずにいたが、前半36分に先制点を奪う。左サイドの堀米勇輝は「こういう状況で、中に入れれば何かが起こると思った」と明かしたが、左足のクロスはそのまま愛媛のゴールに吸い込まれた。
しかし後半に入ると愛媛はまず、身長190cmのFW渡辺亮太を投入して反撃を開始。さらにボランチの吉村圭司を入れて渡邊一仁を右サイドに回し、石井謙伍を前に上げて前線の高さを増すと熊本のゴールに近づく回数が徐々に増える。すると後半37分、重松の折り返しを黒木が迷わずミドルシュート。熊本のゴールネットを揺らし、同点に追いついた。この黒木のJ初ゴールの後は、渡辺をターゲットに石井が最終ラインの裏を突くなど愛媛が逆転のチャンスも作ったが、ゴールは生まれずタイムアップ。「若干アンラッキーな失点とラッキーな点ということで痛み分け」という石丸監督の言葉通り、勝点1を分け合う結果に終わった。
勝って後半戦の弾みをつけたかった両チームにとっては、物足りない結果。そして今節はリーグ後半戦に向けた試合内容を評価できるコンディションでもなかったが、熊本はひとまず引き分けて連敗は止めた。「今後、この勝点1を大きな勝点1にしていかないといけない」と堀米は前を向いたが、これをきっかけに次節のホーム松本戦(7/7@うまスタ)で7試合ぶりの勝利をつかみたい。
もちろん愛媛にとっても、最低限の勝点を得て後半戦のスタートを切れた。ここ2試合は前線で重松が先発して存在感を増しているが、熊本戦では黒木が出場停止の浦田延尚に代わって最終ラインに入り、悪コンディションの中で粘り強く戦った。リーグ前半戦は故障者が多く苦しんだ面もあった愛媛だが、ここにきて選手がそろい、激しくなったチーム内の競争が結果にも好影響を与えていることはポジティブな要素。次はアウェイで神戸と戦う(7/7@ノエスタ)が、前半戦で力負けした相手にチームが成長した姿を示し、敵地で勝点を奪いたい。
以上
2013.07.04 Reported by 近藤義博
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