北九州のホームスタジアム・本城陸上競技場がある北九州市八幡西区は、13時までの1時間に73ミリの観測史上最大の激しい雨に見舞われた。その影響もあって、北九州と長崎のバトルオブ九州第2ラウンドは観客数2,105人という残念な結果に終わったが、平日ナイトゲームにも関わらず集まった両クラブのファンやサポーターのために、サッカーの神様のみならず、お天道様まで味方した。キックオフ前には雨が止み、試合終了までゲームの邪魔はしないでくれ、両クラブを応援する者に取ってそれぞれの持ち味は見ることができた試合だった。
3位という成績は実力だと証明し、後半戦も本気で昇格を目指すためにも、同じ九州、そして下位に低迷する北九州から勝利が欲しかった長崎。前回の対戦で、スコアは1−0ながらも完成度の違いを見せつけられ完敗し、ホームでリベンジを果たしたかった北九州。
前節終了時点で3位と19位と差が付いてしまった両チームの違いは、この試合においても結果として表れた。
立ち上がりから両チームとも積極的にゴールを狙い、この試合に掛ける意気込みを感じた。初めにビッグチャンスを掴んだのは、ホームの北九州だった。4分に、相手GK金山隼樹のキックミスに反応した池元友樹が、ドリブルでゴール前に持ち込みシュートを放つ。だがこれは、金山が足でブロックして自分のミスを帳消しにする。15分にも北九州は中盤でボールを奪いドリブルで持ち込んだ森村昂太が、得意の左足からシュートを打つが、至近距離にも関わらず金山が体を張って先制を許さなかった。
反撃に出たいアウェイの長崎だが、ゴール前を脅かすシーンは多かったものの普段に比べ厚みがなく、攻撃が単発に終わりリズムを作れずにいた。それでも、山田晃平を中心にゴールへ向かう姿勢を止めなかったことが、前半のアディショナルタイムに先制点を生んだ。金久保彩が、左CKからゴール前に素晴らしいクロスを上げると、長崎の選手より先に触ろうとした宮本亨の足に当たって入る、オウンゴールという幸運な形で先取点を奪った。
後半に入ると、先制点と高木琢也監督の喝に、いつもの調子を取り戻した長崎。59分には、小笠原侑生が放ったミドルシュートのこぼれ球に、いち早く反応した山口貴弘が頭で押し込み、試合を優位にする貴重な追加点を決める。
ホームで、九州内の同じ相手に2度は負けられない北九州は、63分に小手川宏基が左CKを直接右サイドネットに突き刺し反撃の狼煙を上げるが、それ以降は長崎の固く集中した守備をこじ開けられず、1−2で長崎が悪いなりにも勝利を収め、後半戦の初戦を幸先良い白星でスタートさせた。
試合後の会見で、勝利した長崎の高木琢也監督はこんなことを話していた。
「今日の試合を迎えるにあたって、私は北九州の選手のコメントをたくさん見ました。長崎で非常に悔しい思いをした、そう言う選手のコメントを見て、今日のゲームは技術的な部分じゃなくて、とにかくバトルするしかないのかなと」。敗れた北九州のキャプテン前田和哉は「自分が何か勝ち取ろうとする気持ちを求めて、この試合でヒーローになるとか、そういう強い意思が足りなかった」とコメントした。
対照的な2人のコメントに、現在の両チームの順位が見て取れた。技術ではなくてバトル。何かを勝ち取ろうとする気持ち。プロの世界、勝負の世界、そしてダービーでは不可欠な部分で、残念ながら北九州よりも長崎が優っていた。
20位に順位を下げた北九州は、今一度気持ちをリセットして、クラブ、ファン・サポーターが一丸となって、次の徳島戦で仕切り直しを図りたい。
以上
2013.07.04 Reported by 坂本真
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