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【J2:第22節 徳島 vs 札幌】レポート:ボランチ陣の後半の働きが勝負を決めたと言える一戦。徳島はリーグ後半戦を白星でスタート(13.07.04)

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ボランチの働きの差。この一戦の明暗を分けた大きな要因は間違いなくそれであった。柴崎晃誠と濱田武の2人が見せた、仕掛けのスイッチになるパス供給とボール回しを円滑にする絡みが、徳島に3試合ぶりの白星をもたらしたと言えるだろう。

とは言え、前半からその輝きが見られたわけではない。
雨を含んだ難しいピッチコンディションを考え、最初の45分は徳島も札幌もロングボールを主体にした試合運び。リスクの少ない戦い方を選択していた。それゆえ両チームのボランチはなかなかそのポジション本来の仕事が出来なかったと言えよう。徳島の柴崎、濱田、札幌の宮澤裕樹、上里一将、ともに頭上を通過する後方からのロングフィードが多かったし、ボールを受けてもセーフティなところへの配球に終始してしまったのである。結果、どちらにも中盤が中心になる攻撃はほとんど見られなかった。徳島がクロスから、札幌がショートカウンターから幾度かゴール前へは迫ったものの、ボランチがタクトを振っての崩しはほぼなかったに等しい。

しかし折り返し迎えた後半は状況が一変。徳島のボランチ陣がバイタル付近への縦パスを非常に強く意識し、仕掛けの形を作り始めるのである。そしてその1度目のトライが徳島に待望の先制点をもたらすことに。47分、柴崎がハーフウェイライン付近からスッと縦パスをドウグラスへ通すと、それがスイッチとなって前線に動きが生まれ、鋭いダイヤゴナルランでペナルティエリアへ侵入した鈴木達也のチャンスメイクから最後は再びボールの戻ってきたドウグラスが得意の左足でネットを揺らした。
さらに、そのゴール奪取によって掴んだ流れにも乗り、徳島の背番号7と14はバイタルへの突つきを強めていく。先制時のような縦パスを入れたかと思えば、自ら高い位置でのインターセプトを成功させてそこへ入り込んでいく積極性も見せるなど、前半とは打って変わった見事なプレー内容でチームを活性化。攻撃の牽引者として大きな存在感を示していった。

それともうひとつ、後半の柴崎と濱田に関して付け加えれば、スムーズな展開のための局面への絡み方も素晴らしかったと言っていいのではないか。いい距離感で顔をのぞかせてボールを引き取ると、札幌のプレスをかいくぐるワンタッチも織り交ぜ、チームの繋ぎの潤滑油となっていた。濱田も試合後に「柴崎選手とのパス交換がスムーズでしたし、チームとしてもしっかり(ボールを)回せていた」とコメントしていたが、実践出来たプレーはきっと自身としても納得のものだったに違いない。

こうして徳島は、2人のボランチが見せた後半の好パフォーマンスに引っ張られ、守備でも最後まで集中を継続。札幌の反撃をシャットアウトし、この大事なリーグ後半戦初戦で勝点3獲得に成功した。
ただ勝ったとは言え、前半のチームには見過ごせない課題が見られたのも事実である。特に何度かの危険なショートカウンターを食らう原因となった個人のイージーミスは決して繰り返してはならないもの。今節に続き中3日でやってくる次節には絶対の改善が求められる。

さて敗れた札幌に目を移すと、徳島とは逆に、後半は前半以上にボランチが機能しなかったと言わざるを得ない。上里が最終ラインに近い位置まで下がってロングボールを蹴ってしまうなど、攻守の繋ぎ役という風ではなくなってしまっていた。すると本当なら高い位置にいて得点を狙うべきの内村圭宏がボランチの位置まで引いてきてしまう悪循環に…。その内村の参加によって中盤にこそ連携が出始めたものの、頼みのストライカーが低い位置へ降りてしまったため札幌はゴールがいっそう遠くなったのである。
完封されての敗戦が続いてしまったことに関して、内村は「20分くらいから動きがいつも落ちてきて、形がなくなっていく傾向にあります」と分析。また「もうちょっとみんなで工夫しないとなかなか勝点を取っていけない」と続け、チームが修正を必要としている状態であることを口にした。だがゲームは待ってくれない。次節までは短い日数しかないが、これからの上位浮上を狙うなら、札幌は今の問題を早急に解決へ向かわせなければ。選手たちの奮起と、それによるチームの変化が注目される。

以上

2013.07.04 Reported by 松下英樹
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