リーグ前半戦をプレーオフ圏内の６位で終えた栃木。昨季に比べれば昇格に向けてまずまずの位置に付けているが、イージーな失点に加え、引き分けの多さ（６月末で７試合）が現在の順位に少なからず影響を及ぼしている。今節、アウェイで対戦する横浜ＦＣとも、前回の対戦（第16節）ではスコアレスドローで決着。直近の３引き分け同様、試合内容は悪くなかったにもかかわらず、勝ち切れずに後悔が残った試合だった。

とりわけ横浜ＦＣ戦での悔しさを忘れていないのが、先日の京都戦で劇的な同点弾を決めたエースの廣瀬浩二だ。あの試合では70分に巡って来たＧＫとの１対１のシーンを決め切れずに、「チームが頑張っている中で、ＦＷとして責任を感じた」と唇を噛んだ。

「あの時はＧＫを抜けばよかった。試合映像を見返したら、１００％ドリブルで抜けた。ＧＫが止まったからドリブルだとやられると思ったけど、あれは抜けたはず。まだまだケツが青い！」

股下を抜く決断を下したが、完全に読み切られた。シュートを阻んだのは、鳥栖時代に同じ釜の飯を食べたシュナイダー潤之介だ。試合後、「浩二の１対１を止められたので良かった。ループを打たれるとまずいので一度止まって、トラップしたところを寄せて誘ったんですが、そこにうまく蹴ってくれた」とシュナイダーは言い残して颯爽とスタジアムを後にした。相手の方が一枚上手だった。それだけに、廣瀬は今度こそ僚友が守るゴールマウスを打ち破る気概に満ちあふれている。こんな挑戦状を叩きつけた。

「ホンマに潤之介は調子に乗ってますからね（笑）。絶対に次は点を取ってやりますよ。『お前には絶対に取らせへんからな』と言われ続けているので。待ってろ！潤之介」

果たして最後に微笑むのは栃木のエースか、それとも横浜ＦＣの守護神か。３００試合出場達成に向け、廣瀬としては２５１試合目からいいスタートを切りたいところだ。

以上

2013.07.02 Reported by 大塚秀毅