札幌と言えば、やはり2年前を思い出さずにはいられない。最後の最後までJ1昇格の椅子を争ったライバルであり、これ以上なく重要だった10月ホームでの直接対決で辛酸を舐めさせられた相手──。クラブはもちろん、ファン・サポーターの中にも当時味わった悔しさをそのまま持ち続けている方はきっと多いに違いないとあって、言うまでもなくこの戦いにはリベンジという意味合いが大いに掛かってくる。
また今節がリーグ後半戦(2巡目対戦)のスタートであることを考えると、ゲームの重要度はさらに増すというものだ。徳島は残り半分の21戦で猛烈な上位追い上げが必要な立場。どんなことがあっても折り返しの最初でいきなりつまずくわけにはいかない。チームにとっては勝点3獲得がこの一戦の絶対使命となる。
そこで徳島が求める結果を引き寄せるためのポイントだが、おそらくそれはセカンドボール争いで多くの優位を握れるかというところ。そこでの支配率を高めることが出来たなら、徳島はきっと白星へ繋がる道を力強く歩んでいけるはずだ。
それを裏付けるように、上位との連戦(前々節は千葉・前節はG大阪)であった最近の2戦を振り返っても、セカンドボールを続けて拾えていた時間帯にはチーム全体がいい状態でプレー出来ていた。守備はしっかり堅さを高められていたし、攻撃には可能性を感じる連続性が生まれていたと言えよう。もちろんどちらのゲームも最終的には90分全体での質の違いを見せられて敗れたため、胸を張って言えることではない。しかしそれでもセカンドボール争いで優位を握れば上位にも十分渡り合えることを少なからず証明したのは事実。選手たちも幾らかの手応えを掴んだはずである。
それだけに今節はやはりその優位を1試合通して継続し切れるかだろう。ボールへの集中をいっそう高め、次にこぼれる場所を相手より早いスピードで正確に予測して、それを多く拾っていくことが徳島には強く求められる。そしてそのような視点から言うと、カギを握る存在となるのは柴崎晃誠に違いない。彼が豊かな経験によって磨かれた予測力を持って中盤でそれを実践できたなら、きっとチームは落ち着きとリズムを持った戦いが展開出来る。
ただ、セカンドボールへの意識をこれまで以上のものにして今節へ臨むのは対する札幌も同じであろう。前節ではそれを多く支配したことによって序盤からゲームの主導権は掴んでいた。だが、「4-2-3-1のシステムにして前から圧力をかけていったが、逆にセカンドボールが拾えなくなり最後までゴールを奪うことが出来なかった」と砂川誠が語っていたように、許したリードを必死で追いかけなければならない大事な終盤になって札幌はその支配力が弱まってしまい、それが反撃のリズムを崩してしまったのである。それだけに今節は最後まで切らさないセカンドボールの支配が彼らにとってもカギ。譲れない部分となる。
J2リーグはいよいよ今節から2巡目対戦の後半戦へと突入。どのチームにとっても一戦一戦の勝敗がより重みを増してくる。そして、徳島も、札幌も、もう沈んだままではいられない。一刻も早く上位グループへ迫る勝点積み上げをしていかなくては。
徳島のキャプテン斉藤大介が「しぶとく戦うことを徹底して勝点3を取れるようなゲームを積み重ねていきたい」と後半戦への意気込みを語れば、札幌の岡本賢明も前節終了後に「まだチャンスはあるので後半戦は一からやっていきたい」と言葉を残している。残り半分のシーズンに全てを賭ける両チームの対決は激戦必至だ。
以上
2013.07.02 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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