前半戦を締めくくるのは長崎対福岡のバトル・オブ・九州。スタジアムには熱い戦いを見逃すまいと、G大阪戦に次ぐ6,971人もの観客が集まった。長崎は山田晃平が2試合ぶりにスタメンに復帰した以外は同じメンバー。一方の福岡も前節から2人のみを入れ替えた布陣で試合に臨んだ。
試合は激しい球際のぶつかり合いが予想されたが、開始から長崎がハードワークで一方的に福岡を圧倒する。佐藤洸一、幸野志有人、小笠原侑生の3人が前線で目まぐるしく動き、ワンタッチでパス交換を行う。福岡の守備をかく乱すると、遠目からでも迷うことなくシュートを放った。
長崎の最初のチャンスは立ち上がり間もなく。金久保彩の蹴った左からのCKに佐藤が合わせて会場を沸かせると、10分には金久保のミドルが飛び出す。これは、惜しくもサイドネットに突き刺さった。
この日の長崎はプレスをかける場所にもこだわった。最終ラインにも強くプレスをかけ、ミスを誘発させるという高木琢也監督の狙いが的中。山田がかけたプレスによって幸野がGKと1対1に。これも枠を外すも、早い時間から押せ押せムードが漂い始めた。
一方の福岡は、自陣からボールを持ち出すこともできず、前半は長崎に11本のシュートを打たれた。すると福岡は、後半開始から宮本卓也に代え、金森健志を投入。山田に押されていた右サイドの活性化を図った。後半も長崎に攻め込まれるが、得点が入らないために徐々に流れは福岡に。53分には坂田大輔がカウンターからシュートに持ちこむと、61分には石津大介がドリブルシュートを見せた。決定的だったのは船山祐二のループパスで城後寿がGKと1対1になったシーン。ダービーにめっぽう強い城後でもこれを決めることはできなかった。
0−0でもシュートが多く見ていて楽しいサッカーだったと同時に、両チームともつまらないミスが少ないために締まった試合となった。ただし、欲を言うならば長崎は裏を狙っていこうというゲームプランがありながらも、シュートを打ったのが全てDFラインの前だった。場合によってはもう少し崩す場面も見たかった。さらに、68分には小笠原に代えターゲットとなる水永翔馬を投入しボールを集めるも、決定的な仕事はできなかったのは誤算だろう。
0−0で終わったが両チームの選手のコメントを聞いていると、それぞれがこの試合をどう感じているかが良くわかる。長崎の井上裕大は「ここ数試合のうちで一番前を向いてプレーできました。(中略)最後の精度という部分が問題になってきます。ただ、結果的に見たら引き分けですが、試合の内容は一番いい試合ができたという手応えがあります。みんな前を向いています。勝ちに繋がる引き分けだと思います」と話すと、高木監督も「これまでで最高の試合だった」とスタジアムを後にしようとした際に率直な感想を話してくれた。
かたや福岡の尾亦弘友希は「自分たちでもっとポゼッション率を上げて相手に握らせないようにしないといけなかった。もっと前からプレスに行くっていうところもピッチでやっている選手たちで良くないと感じたら自分たちでそういう風に切り替えて行かなくては。(中略)前半を見れば長崎の勝ちゲームのような印象だったと思います。後半はこっちにもチャンスがあったのでそこで決め切る力が自分たちには必要」と振り返っている。
分け合った勝点1。どちらのチームにも後半戦に繋がるいい試合になったことは確かだ。
以上
2013.06.30 Reported by 植木修平
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