リーグ前半戦の最後を締めくくるゲームは、愛媛にとっても鳥取にとっても連敗脱出を成し遂げたい一戦。愛媛は前節から先発5人を、鳥取は3人を入れ替えてフレッシュなメンバーで目標達成を目指した。その中で、複数失点が続いている両チームにとっては守備の修正がひとつのポイントだったが、その点に関してはどちらも一定の成果を上げることができた。
まず立ち上がりの失点が続いていた愛媛は、6試合ぶりに先発復帰した園田拓也を3バックのセンターに置き、集中してゲームに入れた。ただ、序盤はやや鳥取が両サイドの攻防で優位に立ち、セットプレーでチャンスを迎えた。その前半26分には田中雄大がフリーキックで直接ゴールを狙ったが、これはGK秋元陽太ががっちりキャッチ。前半42分にはコーナーキックに柳楽智和が飛び込んだが、園田も体を投げ出してフリーで打たせなかった。
一方の鳥取も、状況に応じて5バックで愛媛の攻撃に冷静に対応。新しい愛媛の3トップが上手くポジションを取れず、前線のコンビネーションが噛み合っていなかったこともあって前半は愛媛に8本のシュートを許しながらも、危ない場面は作らせなかった。ただ東浩史が「前半の最後の方に前の3人が近い距離でプレーしようと話をした」と振り返ったように、愛媛は徐々に攻撃に修正を加えていった。さらに後半に入ると鳥取の足が止まりはじめ、ビルドアップのパスにミスが続いてしまう。その中で後半14分、パスミスをカットした代健司がダイレクトで中央の重松健太郎にくさびを入れると、その脇を飛び出してきた東にラストパスが渡る。東はワンフェイントで柳楽をかわし、落ち着いてシュートをゴール右へ流し込んだ。
鳥取にしてみれば、この試合で唯一集中を欠いた時間に失点。複数失点が続いていた守備の修正に手ごたえを感じていただけに、悔やまれる時間帯になってしまった。その後は守備の意識を高めた愛媛のブロックを崩し切ることができず。リーグ前半戦の折り返しで連敗を止めることはできなかった。
一方で最後まで体を張って7試合ぶりに完封した愛媛にとっては、結果が出たことが大きな収穫。久々にスタメン復帰を果たした園田と東、重松も勝利に貢献するパフォーマンスを見せてくれたことも愛媛にとってポジティブな要素になる。確かにこの試合の前半は数多くのセットプレーを与えてしまい、さらに試合終盤はつなごうとして中盤で奪われるなど一歩間違えば失点につながりかねないミスもあった。それでも、そのミスを全員でカバーすることで完封という結果に結びつけた。先制した後は効果的にカウンターをしかけることができず、試合運びという点でも課題も残し、内容的に満足のいく試合ではなかったが、最終的にはチーム全員でつかんだ勝点3が今節は何よりの収穫だ。
「ボールを動かすところの判断や質、すべてをもう1回見つめていきたいと思う」と石丸清隆監督はリーグ後半戦に向けて更なるレベルアップを誓ったが、今の愛媛に必要なものが結果であったことも事実。これまではゲームの内容に手ごたえを感じても、結果が出ていない試合も少なくなかった。しかしこれからは、内容を結果に結びつけなければならない。結果を出すことで、それをゲームの内容にも反映していくという、いいサイクルを生み出していかなければならない。その点に関しては、今日はまず後半戦の反撃に向けて最初の一歩を踏み出したといえるだろう。ただ、大事なのは次節。中3日で迎える連戦は、再びホームで戦える(7/3熊本戦@ニンスタ)。この巡りあわせを追い風に、しっかりと結果を残せるか。次節はいきなり、愛媛の後半戦を占う重要な一戦になる。
以上
2013.06.30 Reported by 近藤義博
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