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【ヤマザキナビスコカップ 柏 vs 広島】プレビュー:鍵は『サイドの攻防』と『中盤底の支配』。第1戦先勝の柏か、敵地で逆転を狙う広島か。準決勝進出を懸けたリターンマッチ(13.06.30)

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6月9日から15日まで行われた指宿キャンプにて、柏は新しい試みに取り組んでいた。従来の4バックではなく、紅白戦では3−4−2−1のシステムを取り、攻撃時のフレキシブルな動き、守備時のマーキングなど詳細な部分に至るまで入念な確認作業を行った。
これはヤマザキナビスコカップ準々決勝で対戦する広島戦を見据えてのものだが、長い視野で捉えれば広島戦限定の策ではなく、チームとして新たなオプションを模索し、再び始まる国内外の戦いに万全の状態で臨むという狙いがあった。事実、2月のキャンプの時点で、すでに新システムには取り組んでおり、ネルシーニョ監督も「オプションを増やす」と明言している。リーグ戦とAFCチャンピオンズリーグと並行して戦うタイトなスケジュールにあったため、これまでは新システムを煮詰める時間がなかったが、今回の指宿キャンプでは、ようやく手を付けられなかった部分まで戦術を浸透させることができたというわけである。
その結果は顕著に表れた。23日の準々決勝第1戦、柏は広島と同じ3−4−2−1を敷き、敵地ながら2−1という白星を手にした。内容の伴った勝利を収めて手応えを掴んだと同時に、準決勝進出へ向け大きなアドバンテージを手にして柏へ帰ることになった。

第1戦の結果によって、広島は2点差以上、もしくは3点以上を奪った1点差勝利を挙げなければ次のステージに進むことはできない。柏がアドバンテージを握ったのは確かだが、2−1の勝利は決してセーフティーリードではない。例えば昨シーズン第10節の日立台での対戦では、広島の鮮やかな攻撃に柏の守備網はズタズタに切り裂かれ、2−5で敗れるという屈辱を味わっている。あれから1年が経ち、Jリーグチャンピオンとして凄みが増したうえに、昨年末のFIFAクラブワールドカップ、今年のACLといった海外の戦いを通じて広島が積み重ねた経験値を考えると、チーム力は昨年以上と見るのが妥当。したがって「2点差以上、もしくは3点以上を奪った1点差勝利」は、広島にとって難しいタスクではない。
それに第1戦は、ある程度予想はしていたにせよ、柏のシステムに広島の方が戸惑った部分はあったはず。第2戦では、その“戸惑い”は解消され、しかもこの1週間、柏の戦い方を入念に研究していることは想像に容易い。そして何より、3−4−2−1システムの成熟度に関しては広島に分がある。

縦に入るパスからフリックやスルーで食い付くDFをかわし、空いたゾーンに2人目、3人目の選手が絡んでくる広島独自のコンビネーションサッカーは脅威である。しかし、柏の選手たちの多くが「サイドの1対1が鍵」と話すように、両翼の2枚が積極的に仕掛けて押し込めるからこそ、相手の守備陣形に綻びを生み出し、中央からの攻撃がより効果的になる。第1戦で柏が勝利を収めた要因は、左サイドの山中亮輔がミキッチとのマッチアップで上回り、サイドのせめぎ合いで優位に立てたことが大きく挙げられるだろう。5月29日のJ1第9節ではミキッチが山中を翻弄し、準々決勝第1戦では山中がミキッチを凌駕した。この両者のマッチアップは今回の対戦でも勝敗を左右する鍵になると見て間違いない。さらに、パスの供給源であるボランチ、柏なら栗澤僚一、広島なら青山敏弘、この2人に対し、互いに自由を与えず、逆にいかにして自由を得てパスを供給できるか。サイドの攻防と中盤底の支配。鍵となるこの2つのポイントで上回った方が、準決勝へのチケットを手にする可能性は高い。

ゴールを欲する広島は立ち上がりからアグレッシブに仕掛けてくるのか、それとも90分を通じて勝利を挙げればいいというメンタリティーで通常通りの入り方をするのか、アドバンテージを握る柏が、どのような策を用いて広島を術中にはめるのか、展開は読みづらい。ただ、第1戦以上の激闘になることだけは、確実に言える。

以上

2013.06.29 Reported by 鈴木潤
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