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【J2日記】栃木:ルーキー湯澤洋介「どうせクビになるなら…」(13.06.20)

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劇的な同点弾を決めたクリスティアーノの背中に飛びつく湯澤洋介

心にかかっていた分厚い靄(もや)が晴れた。

ルーキーの湯澤洋介が、ようやく本来のアグレッシブさを取り戻した。第19節・神戸戦、クリスティアーノの劇的な同点弾に繋がるキッカケを作ったのは、ほかでもない湯澤だった。三都主アレサンドロのクロスを久木野聡が頭で折り返し、味方が繋いだボールをボレーシュート。スポットライトは湯澤に当たりかけたが、無情にもDFのブロックに阻まれた。
「あそこで決められないのが俺なんすかね(笑)。ボールが来ればいいなと思っていたら、頭の上を越えて行って。『来ないのかあ』と思っていたら、俺の所にクキさん(久木野)が落としてくれたので、それを打ったら相手に当たってしまった。入ったと思ったんですけどね。でも、結果的にゴールが入ったから良かったですけど」

湯澤のシュートのリバウンドをクリスティアーノが叩き込んで2−2に持ち込んだものの、6月15日の「栃木県民の日」に地元出身の湯澤のゴールで同点に追い付く。書き手にとって極上のシナリオは完結しないまま、お蔵入りとなった。

プロ初ゴールを逃した悔しさを口にしながらも、湯澤の口調は決して暗くはなかった。長く暗いトンネルを抜け出せたからだ。開幕戦から出場を果たした湯澤だが、アピールを続けていた大事な時期に負傷し、調子を落としてしまう。その後は思い悩む日々が続き、自分のスタイルを見失うことに。「悩んでいた時のサッカーは楽しくなかった」と言うように、もやもやした思いはプレーの質を下げた。紅白戦でAチームのビブスを着ける回数は極端に減っていた。その間、松田浩監督や阪倉裕二ヘッドコーチ、強化担当がアドバイスを送るが、思うようにパフォーマンスは上向かなかった。

もともと湯澤は感覚を大事にプレーするタイプ。ところが、あまりにもいろいろなことをやろうと欲張ったあまり、いつの間にか頭でプレーする悪循環に陥った。そこで、発想を転換したと言う。
「自分がどうせクビになるなら、好きなことをやってクビになったほうがいいじゃん!と。自分の好きなことはドリブル。思い切って仕掛けられるようになりました」

やりたいことを、とにかくやってろう。そう思うようになってからプレーはもちろん、気持ちにも変化が生じた。「(試合に対する)モチベーションも変わりましたね。『やってやろう』と思えるようになったんです」。そう快活に話す湯澤は、前々節(第18節)・福岡戦から消極的だった自分と決別した。わずか数分間の出場時間の中で、積極果敢に持ち味を出せた。鋭くサイドからえぐるドリブル突破は、湯澤にしかできない。栃木にとっては大きな武器であり、相手にはこの上なく厄介な代物だ。その自信が神戸戦に繋がったのだ。

とは言え、目に見える結果を残していないだけに、まだまだ復活したとは言い難い。以前、プロになった実感が湧いた瞬間を湯澤に訊ねた際、「まだ結果を出していないので。結果を出したらそう言えると思います」という答えが返って来た。「これを機に一発決めたいっすね。どの機会かわからないけど」。そうおどけた湯澤。明るさと自分らしさを取り戻し、再びスタートラインに立った。坊主にした髪の毛だけが伸びただけ。そう言わせないためにも、リーグ戦の折り返し地点を迎える前に明確な結果を残したい。

以上

2013.06.20 Reported by 大塚秀毅
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