長崎は今シーズンからJ2に入会してきたルーキーチーム。片や岐阜は今年でJ2に上がって6年目。だが、順位は3位と最下位。大きく水をあけられてしまった。しかも、長崎には昨年まで岐阜にいたFW佐藤洸一がチーム最多タイとなる5ゴールを挙げている一方で、岐阜は17試合を消化して総得点が7と、深刻な得点力不足に悩んでいる。単純比較をしてしまったら、大きな落差がある両チーム。岐阜はJ2の先輩としての意地と、2戦連続でホームで戦う利を生かさないといけない。
岐阜は前節、ホームで岡山と0-0のドロー。勝点1こそ得ることが出来たが、内容はシュート2本、枠内シュート0本という乏しすぎる内容。はっきり言って弾みが全くつかないゲームだっただけに、この試合で結果を残して、これからの戦いに弾みをつけたい。
ポイントとなるのが、両ウィングバックの出来。3バックで戦っている岐阜にとって、より効果的な攻撃を仕掛けるためには、ウィングバックの攻撃参加が必要不可欠。現状、守勢に回ると、両ウィングバックが完全にDFラインに吸収されてしまう傾向があり、ボールを奪っても攻撃を仕掛けられない悪循環に簡単に陥ってしまう。3バックを押し広げてウィングバックを上げるのか、ボールサイドとは逆サイドのウィングバックをコントロールして、どちらか一方が高い位置を取れるようにするのか、そういった連係が曖昧になってしまうきらいがある。
長崎は佐藤と水永翔馬が好調で、高さと裏への強さで切り崩してくる。この連係をどう抑えるか。岡山戦もそうだったが、ここのケアの際に、3バックが中央に寄ってしまうと非常に危険だ。そうなるとサイドのスペースが空き、岐阜の両ウィングバックが吸収され、たちまち劣勢に立たされてしまう。この試合のポイントはどこまでリスクを背負えるか。相手のワントップツーシャドーに対し、いかに3バックを広げて、ボランチとの連携を密にしながら、自分たちのウィングバックを高い位置に持って行けるか。
「今のチームは1点取られてしまうと、勝つことが難しくなる」とDF益山司が語ったように、失点に対する恐怖心がとてつもなく大きなものとして、チームを縛り付けている状況は良く分かる。だが、リスク無くして、リターンなし。ゴール無くして、勝利なし。ホームで戦う以上、ある程度のリスクを冒して、攻撃を意識してほしい。
勝ちたい。もうこれ以上、負けと引き分けは見たくない。最下位の岐阜にとって、21位の群馬とは3、20位の北九州とは6の勝点差がある以上、やはり勝たないと状況は良化しない。とにかく勝利を。くどいようだが、毎回これくらい言わないと、取り返しのつかないことになる。大きく水をあけられたルーキーの長崎に意地を見せる時。それは今しかない。
以上
2013.06.07 Reported by 安藤隆人
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