松本と岡山。共にフォーメーションは3-4-2-1、ハードワークと攻守の切り替えの早さで相手を上回るスタイルも同じ。ミラーゲームとなる可能性が高いだけに、局面での1対1の争いなどが勝負を左右することになりそうだ。

前々節・富山戦で今季ホーム初勝利。前節・鳥取戦では今季初の連勝を目指してその勢いのままに敵地とりスタへと乗り込んだ松本だったが、そうは問屋が卸さなかった。前半40分にパク・カンイルがこの日2枚目の警告で退場となったことで1人少なくなった松本は、奮闘は見せたものの個々の運動量が増加したこともあって少しずつ流れを失い、最後はゴール前にフリーで詰めていた住田貴彦に決勝弾を決められてしまった。「少しもったいないゲームだった」と反町康治監督も試合後に振り返ったが、勝点を持ち帰れなかったのは事実。ここまで6勝6敗5分で11位。まさしく“一進一退”という状況だが、これから暑くなる夏場を前に、今は上位に食らいついていきたいところだ。ホーム、アルウィンで仕切り直しといきたい。今節はパクが出場停止、北井佑季あるいは弦巻健人の先発起用が有力だが、誰が出てもチーム力が落ちないことを示す好機でもある。こういう時こそチームの総合力が試されそうだ。

対する岡山もこの試合は重要になる。前々節・熊本戦で敗れ、前節・岐阜戦はスコアレスドロー。現在6勝2敗9分で7位と、まずは昇格プレーオフ圏内への浮上を図るべく3試合ぶりの勝点3を目指してアルウィンへと乗り込んでくる。影山雅永監督の指揮も4シーズン目に突入した今季は、昨季エースとしての活躍を見せた川又堅碁の穴を埋めるべく、荒田智之・押谷祐樹といったJ2でも実績のある点取り屋の獲得に成功。そのなかでも荒田はここまでJ2得点ランキング3位の8ゴールをあげるなどチームの好調に大きく寄与している。松本としては、まずはいかに荒田を自由にさせないかも肝になりそうだ。そこは清水東高校時代の2年後輩に当たる多々良敦斗の出番となろう。また、1年半ぶりに現役復帰を果たした妹尾隆佑、昨季は松本に期限付き移籍した久木田紳吾の出場にも注目が集まる。

この日は、今年からクラブのホームタウンに追加された安曇野市御協力のもと、『ホームタウン安曇野市デー』として幾つかの企画が行われる。安曇野市といえば2011年の連続テレビ小説『おひさま』の舞台として有名だが、日本国内で生産されているマシュマロの約8割が安曇野で作られているというのもあまりにも有名な話だ。
……とまあ、決して有名ではない豆知識を持ち出したが、ぜひともドラマのように劇的でマシュマロのように甘い一戦になってほしいと願う（強引なオチ）。

以上

2013.06.07 Reported by 多岐太宿