ついに本城陸上競技場に、G大阪がやって来る。今季、アウェイの各スタジアムに数多くのサッカーファン・サポーターを呼び寄せるこの名門クラブを一目見ようと、本城でもいつもの試合以上のチケットの売れ行きを見せている。この絶好の機会を逃すまいと、クラブもサポーターも数週間前から動いてきた。もちろん、本城を満員にしたいという思いと、これを機会に地元のクラブ・ギラヴァンツ北九州に関心を持ってもらいためだ。
柱谷幸一監督も「この機会に、サッカーはもちろん、ギラヴァンツにも興味を持ってもらいたい。そのためには良い試合をして、勝つことが大事になってくる」と話すとともに、「前節の京都戦は、スタメンで戦った11人も途中から入った3人も良い働きを見せてくれて、良い勝ち方をした。その勝利を無駄にしないためにも、この試合が持つ意味は大きい」と、今週の練習ではいつも以上に声を張り上げ、1つ1つのプレーに厳しさを要求している。
指揮官の思いは選手たちにも伝わっている。キャプテンの前田和哉も「ホームでは絶対に負けられないし、たくさんお客さんが入るのはうれしい。そこで勝てば、また観に来てもらえると思う。これからの自分達のためにも絶対に勝ちたい!」と意気込みを語る。「前節の勝利を今後に繋げるためにも、G大阪戦には勝ちにこだわりたい。勝てばチームのムードも高まるだろうし、サポーターにも喜んでもらえると思う」と、北九州のエース・池元友樹は静かに闘志を燃やしていた。
最近の試合では守備も安定し、攻撃陣も池元続き内藤洋平が前節から復帰。他クラブに警戒され始めたキム・ドンフィをベンチに置けるなど、戦力面でも幅が出てきた。これまでと変わらず、いやこれまで以上に守備に掛かる負担は大きいが、ベテランの宮本亨も「相手のほうがプレッシャーは大きいはず。自分らはブレずに90分間最後まで戦うだけ」と、死闘に向けて意気込みを語っていた。
対するG大阪は、前節から遠藤保仁と今野泰幸が日本代表招集のためにチームを離れたが、5位に着ける栃木を相手に全く危なげなく、前半だけで3点を奪い首位を守った。この試合ではスタメン11人中7人がアカデミー出身と、Jリーグ開幕時からのクラブの伝統を感じさせた。G大阪は17試合戦って1敗(10勝6分)、リーグトップの34得点に、失点ではリーグ2位タイと、首位として堂々の成績を誇っている。
J2に来ても揺るがない伝統の攻撃的スタイルのG大阪に対し、J加入から4年目の北九州がどんな戦いを見せるのか、本城に集まる多くの観衆は注目している。
以上
2013.06.07 Reported by 坂本真
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