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【J2:第18節 横浜FC vs 鳥取】プレビュー:ホーム初勝利への渇望。ハードワークで連勝中の鳥取から勝点3を奪う鍵は、相手を上回るハードワーク。(13.06.07)

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もう少しで折り返しが見えてきた、第18節となるJ2のリーグ戦。勝点19で17位に浮上した鳥取と勝点16で19位に順位を落とした横浜FCの対戦は、まずは浮上に向けた勝点3が必須となる試合。鳥取は連勝を果たし、さらなる勢いをつけるべく三ツ沢に乗り込む。その勢いを上回るハードワークを横浜FCが出せるか。上位へ這い上がるチャレンジャー精神が両チームに求められる試合となる。

今季の横浜FCはいまだにホームでの勝利がない。アウェイを含めても、前回勝利を挙げたのは5月3日の東京V戦(第12節@味スタ)と、1ヶ月以上勝利から見放されている。サッカーの内容だけ見ていれば決して悪くはないし、上位に対しても十分に戦えているように見える。一方で、その内容が勝ちにつながっていない部分は、試合を勝つために必要なプレーがどこか欠けていることの表れというしかない。前節の監督記者会見で山口素弘監督は「うちのチームは間違いなく弱い、それをしっかりと受け止めていかないとこの苦しさからは脱出はできない」という刺激的な言葉を投げかけた。立ち上がり20秒、そして前半10分で失点を重ねた原因として、局面においてやるべきプレーを完遂できなかったという点に対して、改めて自らを問い直す必要が出てきたといえる。月並みな言葉になるが、いわゆる「ハードワーク」という部分が大きな鍵となる。山口監督の言葉は、戦いに勝つための原点に立ち返ることをチームとクラブに求めているものだ。この試合では、自分たちより上位である鳥取に対していかにハードワーク出来るか、その1点だけがチームに求められる。そうすれば結果は後から付いてくる。ただし、ハードワークができるチームにならないと、シーズン前に期待した「勝ち続ける」チームにはならない。その意味で、ぺ スンジンが出場停止明けで戻ってくるのは、横浜FCにとっては明るいニュース。守備の局面で決して負けないことを、この試合のベースとしたいところだ。

前述のように、この試合でことさらハードワークを強調するのは、ニッパツ三ツ沢球技場に乗り込む鳥取が、小村徳男監督の現役時代を投影したかのような泥臭さとハードワークを体現しているチームだからだ。フォーメーションを3-4-3に変更して、第16節の神戸戦(5/26@ノエスタ)、第17節の松本戦(6/1@とりスタ)と連勝を果たしているが、その勝利のベースはフォーメーションではなく、できることを120%遂行するハードワークの徹底だ。前節は小村監督が「どう相手を崩していくか、ということについては、まだまだパスの回し方や、ボールを回していく速さが遅い」と反省しているように、10人になった松本に対して、必ずしも数的優位を生かし切った試合ではなかったかもしれない。それでもねばり強く左右にボールを振りながら最後のゴールを陥れた粘りには、ゴールを信じるチームの力を感じることができる。そして、素早い攻守の切り替えを続ける力は間違いなく高い。この連勝で得た自信を加速させるためにも、変わらないハードワークを三ツ沢で見せることが重要だ。

その上で、試合の鍵となるのは、まずはミスのカバーを含めてチームとして穴を見せないこと、そして相手の穴を見つけるしたたかさを発揮することだろう。横浜FCには大久保哲哉や田原豊、鳥取には久保裕一と、両チームともに、決定的なプレーができるストライカーを擁する。そのストライカーに有利な場面をいかに作るか・作らせないか。中央のつぶし合い、サイドの主導権争い。その使い分け。ハードワークの上に表現される駆け引きが勝点3に直結する。

前述の山口監督の言葉は、横浜FCの再出発の狼煙だ。それは、今までの否定ではなく、忘れていたものを取り戻すということに他ならない。勝つための原点をピッチ上に見いだせるか。プロである証明を見せる両チームの戦いを、ぜひスタジアムで応援していただきたい。

以上

2013.06.07 Reported by 松尾真一郎
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