共に【3-4-2-1】を敷くチーム同士の対決とあって、各局面でのマッチアップが注目される試合となった。ポイントとなるのが両ウイングバックとダブルボランチ。ここでの陣取り合戦で優位に立てるかが、勝敗を分けるカギとなった。
立ち上りを見ると、岡山は攻撃時は3バックを広げて、千明聖典と仙石廉のダブルボランチをフラットにステイさせ、田所諒と田中奏一の両ウイングバックを高い位置に張り出させる戦い方を選択。それに対し岐阜は、3バックは中に絞り気味で、染矢一樹と杉山新の両ウイングバックが相手のウィングバックを見る形を取り、服部年宏と野垣内俊のダブルボランチが前に飛び出せるような形を選択。
前半、決定機を作り出したのは岡山の方だった。13分、3バックの裏を突いたFW桑田慎一朗が抜け出し、GKと1対1になるが、放ったシュートは惜しくも右ポスト直撃。23分にはFW石原崇兆が、36分にはFW荒田智之が仕掛けたこぼれを田所がエリア内で狙うが、いずれもシュートはDFのブロックに阻まれ、ゴールには結びつかなかった。
全体的に見ると岡山が一方的な展開だったわけではなかった。どちらかというと膠着状態で、岐阜の守備もはまっていたし、岡山の守備もはまっていた。差となったのは個の打開力。荒田、桑田、石原という裏に飛び出せて、個でも打開できるアタッカー陣を持っている岡山の方が、決定機を作り出せたという訳だ。
0-0で迎えた後半、両ウイングバックのポジションをさらに高めに設定した岡山が優勢に転じる。象徴的だったのが、53分のシーン。右サイドを破った田中の折り返しに、ゴール前で合わせたのは田所。ゴールこそならなかったが、両ウイングバックの崩しが、岡山にリズムをもたらせた。
対する岐阜は、前半は守勢に回りながらも、高い位置まで顔を出せていた染矢が、完全にDFラインに吸収され、押し上げるどころか、徐々に全体のラインが下がり、相手に中盤のポゼッションでも上回られてしまうという悪循環に陥った。
攻撃に目を向けても、64分に柴原誠に代えてFWレモスを入れてテコ入れを図るが、岡山の押し広げた3バックと一方がアンカー気味に残るダブルボランチで形成する守備を切り崩すことが出来ない。要因として、岐阜の両ウイングバックの攻撃機能が停止してしまったことと、1トップの樋口寛規とレモスの動きがかぶってしまうことが多く、連動した攻撃が出来ないことが挙げられる。
徐々に広がっていく岐阜の隙。だが、岡山はそこを突くことが出来なかった。良い位置までボールを運ぶことは出来るが、ラストパスやフィニッシュに精度を欠き、そのままスコアは動かず。
スコアを動かせなかった岡山と、劣勢を凌いだというより、立て直しが出来なかった岐阜。双方が勝点を落とすべく戦った結果のスコアレスドロー。そこに何が残ったのか。正直、それが全く分からない試合だった。
特に岐阜からは何も見出すことは出来なかった。「良く守った」だけでは、勝利はいつまで経ってもやってこない。90分間でシュート2本、うち枠内シュートゼロでは、勝利の可能性はゼロと言っていいだろう。手厳しいが、もう「良く守った」では通用しない時に来ていることの警鐘だと捉えてほしい。
以上
2013.06.03 Reported by 安藤隆人
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