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【ヤマザキナビスコカップ 鳥栖 vs 大分】レポート:現在の実力がそのまま出た両チーム。当然のごとく、結果にも雲泥の差がついた予選最終戦は鳥栖が大分に逆転負けを喫す。(13.05.23)

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道に迷った時に、「さっき、ここは通ったよね?」という感覚に陥ることがある。実際に幾度となく同じところに出てしまうみたいなものである。逆に、同じところに出てくると「じゃ、次は逆に行ってみよう」と考える。人は、障害にぶつかると、そこに至るまでの経緯を学習し対処方法を自然と身につけるものだ。ただ、それには時間も必要だが・・・。

ヤマザキナビスコカップ予選第6節を忘れたわけではあるまい。開始1分に先制し、押し気味に試合を進めていたにもかかわらず72分と86分に失点し逆転負けを喫した試合である。
「今日のこの試合によって、少し雰囲気として沈むところはあるかもしれませんが・・・」(尹晶煥監督/鳥栖)と振り返った悔しさを今節でも味わうとは・・・。鳥栖は、苦境から抜け出せないでいる。

逆強に陥った時でも、そこから這い上がった経験があると、「まだやれるはず」と自分に言い聞かせることができる。実際の成功体験をもとに、「勝利が決まる瞬間まであきらめないようにして・・・」(丸谷拓也/大分)戦うことができた大分。リーグ第12節新潟戦の「選手が粘り強く戦い、最後は意地を出してゴールをもぎ取った」(田坂和昭監督/大分)勝利の余韻は残っていた。前の試合に続き逆転勝ちを収めた選手たちに田坂監督は、「内容も含めて今日は非常に大きな勝ちではなかったかと思います」と最大級の賛辞を送った。大分は、前の試合の勢いをシッカリと引き継いでいた。

戦う前から予選敗退が決まっていた両チームの対戦だったが、試合に賭ける選手たちの気持ちが入った90分だった。

試合の入りは大分の方が勝っていた。2分と7分には、FW西弘則と松田力が決定機を迎えた。だが、先制点は鳥栖が奪う。28分に、MF水沼宏太からパスを受けた早坂良太の放ったシュートに、FW池田圭がゴール前に詰めて奪った。決定機は作られるものの、鳥栖は狙い通りの先制点をあげることができていた。

しかし、この状況を覆す大分の巧者ぶりが後半になって出始めた。
「幅を使ってギャップを見つけよう」(田坂監督/大分)と指示を受けた選手たちは、ボランチを経由して展開していた前半とは違い、逆サイドへの長いパスを使いだした。これにより、鳥栖の守備が揺さぶられ徐々に中央が甘くなってくると、83分、87分にサイドを使われて最後は中央からMF丸谷が決めて逆転した。

鳥栖は59分に追いつかれはしたが、71分に再び突き放したにもかかわらず、勝てない時の嫌な流れがまともに出てしまった。

後半に入って展開力で“前試合の勢い”を引き寄せた大分と、その流れにズルズルと引き込まれて“苦境から抜け出せない”鳥栖との明暗を見せた試合だった。この大分の一勝、この鳥栖の一敗は、今後のリーグ戦において大きなものになりそうな気がしてならない。経験は、長い時間をかけて積み上げたものである。試合で起こりうる事態を想定してトレーニングを積んでも、同じ現象が起きないのが試合なのである。それに対応するのに求められるのが経験であり、テクニックでありメンタルである。

相手がいるからこそ思い通りにならず、結果が伴わないことは多い。地表が固い時ほど、掘り当てた地下水は美味いという。耐えた時が長いほど、経験を積んでいるはずだ。サッカーは、一日にして作り上げられるものではない。

以上

2013.05.23 Reported by サカクラゲン
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