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【J1:第12節 磐田 vs 川崎F】レポート:アウェイ・川崎Fが大量得点で今季4勝目をマーク!磐田は今季ワーストの4失点で敗戦…(13.05.19)

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試合直後のピッチで、磐田・藤田義明は顔を上げることができなかった。2-3で迎えた89分、自陣ゴール前でのバックパスを川崎F・矢島卓郎にカットされ、ゴールを献上。試合を決定つけるミスに、ただただ自分を責めるしかなかった。シャツで顔を覆い、川口能活、チョ ビョングクらになぐさめられながらピッチを後にするセンターバックに、磐田サポーターは『藤田コール』を繰り返した。溢れた涙を美化するつもりも、非難するつもりもない。その姿がチームの現状である。浮上の兆しすら掴めず、選手たちは張り詰めた精神状態を強いられている。

両サポーターが熱く盛り上げたこの一戦はハイテンションな点の取り合いとなった。スコアが動いたのは試合開始直後の4分。敵陣右サイド・大島僚太のクロスをファーサイドでフリーとなった小林悠が頭で強くインパクトし、アウェイの川崎Fが先制。「(大島)僚太からいいボールが入って、叩きつけようと思って打った。最初のチャンスでしっかり決められてよかった」(同選手)と喜びを爆発させた。さらに6分には右サイドバック・田中裕介の縦パスを受けた小林が鋭く反転し、スルーパス。これを受けたレナトが左足で強烈なシュートを突き刺し、追加点。アウェイゲームながらアグレッシブで、素晴らしい入りを見せた。

大久保嘉人はこの日先発出場。長く闘病生活を送っていた父・克博さん(享年61歳)が12日に亡くなり、地元の福岡県へ戻り通夜、告別式へ参列。16日にチームに合流していた。本来のパフォーマンスを出すことは難しかったが、気持ちでプレーした。「コンディションがよくないことは自分でもわかっていたし、違う貢献をしようと思っていた」(同選手)。前線からの献身的な守備でチームに貢献。球際でも譲らず、闘争心溢れるプレーでチームを鼓舞した。ゴールを決めることはできなかったが、この日は公式戦のピッチに立てたことが何よりも大きい。「普通なら出ないと思うし、監督に感謝している。やっとこの1週間が終わったなという気がする。ほっとしたと言うか、次から切り替えていきたい」。背番号13のひたむきな姿を、風間八宏監督は「サッカーマンとして尊敬に値する」と高く評価した。

ホームの磐田が反撃ののろしを上げたのは前半終了間際。43分、自陣・チョ ビョングクのロングキックに前田遼一が反応。川崎Fの最終ラインの背後を1発で突き、ジェシとの競り合いを制して右足でループシュートを決めた。エースに待望の今季リーグ2点目が生まれたことも後押しとなり、後半は立ち上がりからエンジン全快。50分に小林裕紀、山田大記のシュートで川崎Fを脅かし、72分には前田とのワンツーで相手守備陣を完全に崩した山田が右足でループシュート。さらに74分には途中出場・金園英学が惜しいヘディングを放ったが、いずれも川崎F・杉山力裕のファインセーブに防がれた。

磐田とすれば、ここで同点にできなかったことが痛かった。「ゲームのポイントは3点目を取られるまでの押し込んでいた時間帯。いつくかのチャンスを作る中で決めきれず、相手に逃げられてしまうという展開になってしまった」と試合を振り返ったのは長澤徹監督。77分には矢島卓郎のヘディングシュートのこぼれ球をジェシに押し込まれ、1-3。80分にCKからチョ ビョングクにゴールが生まれ再び1点差としたが、89分に矢島のゴールで再び突き放された。

勝利した川崎Fは4勝4分4敗と星を五分とし、9位に浮上。今季3度目の4得点と攻撃陣が結果を残す実りある一戦となった。対する磐田は今季ワーストとなる4失点で敗れ、今季リーグ戦で3度目の連敗。順位は17位のままだが、18位・大分に勝点で並ばれた。
クラブは試合翌日の19日、ロンドン五輪男子日本代表監督の関塚隆氏が新監督に就任することを発表。同氏は川崎F戦をスタンドから観戦しているが、その目にはチームの姿がどう映ったか。磐田の“夜明け”はまだ見えてこない。

以上

2013.05.19 Reported by 南間健治
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