大分が3-2で新潟を下し、開幕12戦目にして初勝利を挙げた。2-2で迎えた後半のアディショナルタイム、中央で高松大樹が落としたところを、土岐田洸平が捕らえて決勝点を奪った。新潟は後半10分にセンターバックの大井健太郎と金根煥が負傷で交代するアクシデント。それでも2度のビハインドから追いつく粘りを見せたが、勝ち越すまでには至らなかった。
大歓声のサポーターの前で、大分の選手たちは満面の笑みを見せた。新潟のホームのビッグスワン。試合後、大分サイドの一角だけが大盛り上がりを見せた。
「選手たちが意地をみせてくれた」。田坂和昭監督が言うように、執念でもぎ取った勝利だった。前半40分に木村祐志のセンタリングを、若狭大志がヘディングで決めて先制。1-1に追いつかれた後の後半35分には、中央の空いたスペースを高松が逃さずにゲット。だが、この後、後半45分に再び追いつかれた。「(2-2になったときは)絶望感もあった」。土岐田が言うように、勝点を逃し続けてきた不安感に支配されそうにもなった。
それでも、「そこでみんなが声を掛け合った」(土岐田)。未勝利が続く恐れよりも、手が届きそうな位置にある勝利をつかもうとする意志が上回った。それが土岐田の決勝点を生んだ。後半アディショナルタイムの7分、中央のスペースを使った高松から出たボールを落ち着いて決めた。
故障者が相次ぎ、毎試合のようにスタメンが変わる状況。7試合ぶりの出場となった木村も最後までは持たなかった。ただ、戦い方は徹底していた。ブロックを作った守備から、ロングボールを入れ、こぼれ球を拾う。誰がメンバーに入っても迷いは生じなかった。
ようやくトンネルは抜けた。もちろん、18位という現実は変わっていない。それだけに気持ちはさらに引き締まった。若狭は「まだ1勝しただけ。それを真摯に受け止める」。白星を求める意欲はさらに高まった。
新潟にとっては、悔やまれる敗北になった。0-1の後半21分、田中達也がゴール前の混戦から押し込んで、移籍後初得点。1-2の後半45分にはレオ・シルバが中央を突破して来日初得点。今季のキーマンが相次いで初ゴールを挙げて、逆転勝ちのムードは出来上がった。今季初の連勝もみえかけた。
だが、勢いをつかんだ攻撃とは対照的に、守備は不安定だった。後半10分、大井と金根煥のセンターバック2人が衝突。そのまま負傷退場となり、代わって濱田水輝と坪内秀介が入った。このコンビがセンターに並んだことはない。坪内はもともとサイドバックが本職。「距離感が悪かった」(濱田)、「同じやり方でやられたのは良くない」(坪内)と真摯に反省の弁を述べる2人は責められない。
「簡単に点をやりすぎた」。柳下正明監督が指摘したのは、バランスが崩れていたことだった。2度追いつき、逆転を狙って前かがりになった。その結果、中央のスペースをケアしようとする意識が薄れていた。最終ラインの前にできたスペースを埋めきれず、大分の攻撃をフリーにして決勝点を奪われた。
新潟は5月に入ってリーグ戦初黒星。ここで立て直せるかどうか、チーム状態が試される。大分は初勝利を2、3勝目につなげるチーム整備が必須。中断前最後のリーグ戦となる次節、ともにチーム力が問われる。
以上
2013.05.19 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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