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【J2日記】京都:祝Jリーグ20年!森岡隆三コーチに聞いてみた。(13.05.20)

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写真は2008年12月6日京都vs清水戦より。前日に現役引退を表明した森岡隆三選手に駆け寄る古巣・清水の選手達。

2009年から京都のコーチに就任した森岡隆三氏。(写真=2009年1月24日)

日本プロサッカーリーグ「Jリーグ」。このJリーグが20周年を迎えました。そこで、森岡隆三コーチにこの20年について思うところを聞いてみました。

「Jリーグが始まった当初と、20年経って今の取り巻く環境は大きく変わったと思う。そこはJリーグが誕生した意義というか、そのお陰でサッカーに携わって、生活していく人間が増えたんだろうなというところはありますよね」

森岡隆三コーチは、桐蔭高校を卒業し、94年に鹿島とプロ契約して選手生活をスタート。それから清水、京都でプレーし、2008年シーズンで引退。現在、京都でコーチを務めています。日本代表での活躍はもう「言わずもがな」でしょう。
今回、彼に話を聞こうと思ったのは、これまでの選手としての数々の名勝負の思い出話と言うよりは、93年のJリーグ発足当時はまだ高校生で、まだ日本サッカーが「プロサッカーリーグが出来るとはどういうことか」というのが手探りだった時期を、高校生とプロ選手の両方の視点から話してもらえるのではないか、と考えたからです。

「Jリーグが発足した時、自分がプロになる、という考えはまだありませんでした。というより自分がプロになれるなんて思ってもみなかったんですね。でも夏に鹿島の練習に参加させていただいて、プロの生活に触れて、満員のスタジアムで行われるゲームを見て、『こんな中でやれたらいいな』と心から思いました。ただ、Jリーグが始まる前までにも日本リーグを見に行ったりしていたので、社会のサッカーに対する扱いの違いに戸惑ったのも事実ですね。」

そこから、プロサッカー選手としての生活が始まる訳ですが、Jリーグブームは去って、サッカー人気も落ち着いたものになります。それが、人気の陰りと表現する人もいますが、その頃のことは、こう思っていた様です。

「それ以上にサッカーを好きな人はこんなにいるんだな!ということが嬉しかった。どっちかというとサッカーは少数派という時代。僕は幼稚園の頃からボールを蹴っていましたが、小学校でも野球をやってる子のほうが多く、テレビでサッカーを見る機会も週1回、30分のダイヤモンドサッカーくらい。だから自分が好きなサッカーを、少しでも多くの人が関心を持ってくれるというのが本当に嬉しかった」

サッカー人気が落ち着いても、スタジアムに足を運んでくれる人たちの多さを見て「こんなにもサッカーを好きな人がいるんだ」と感じたそうです。子供時代に日本の野球文化を強く感じさせられた彼にとって、日本にもサッカーが好きな人が沢山いるという事実は心強かったようです。日本にも世界と同じ様にサッカーを好きな人が多く存在して、それで、日本サッカーも世界とつながっていると信じられる。当時の森岡選手にとって「日本のサッカーをもっと強くしたい」という気持ちは、日本に多くいたサッカーファンが育んでくれたのかも知れません。

「Jリーグと共に歩んだ選手生活の15年、毎日少しでも上手くなりたい、その一心でプレーしていましたが、自分を成長させてくれた要因といえば、『責任感』が挙げられます。多くの観客、サポーターの目があったからこそ、自分のプレーに、より『責任感』が生まれ、成長出来たのかなという思いがあります。それはJリーグがなければ得ることが出来なかった感覚かもしれないし、『責任感』は個人においても、チーム、そしてクラブにとっても、成長への一番のキーワードなのではないでしょうか。そしてサッカーの発展に不可欠なもの、それはサッカーに関わるみんなの『想い』。Jリーグ発足からのこの20年、クラブ、地域、行政、みんなの『想い』が合わさり共に歩んだからこそ、今のサッカー界の発展につながったのだと思う。日々の一歩の積み重ねが大事であり、もちろんそれは前向きな一歩でなければならないと思いますが」

お客さんに喜んでもらいたい、というのはプロ選手として当然です。でも、森岡コーチは、クラブとサポーターだけでなく、それを取り巻く社会や企業も混じり合って、それで日本サッカーが動き出したことを感じ取っていたのです。逆に言うと、いくら選手が頑張ろう、クラブが頑張ろうとしても、日本の社会全体の関心や支えがないと発展していくことは中々出来ない、ということなのかもしれません。
では、サッカーが日本の社会全体から愛されるためにはどうしたら良いのか。森岡コーチ個人としては、こんな言葉が出てきました。

「サッカーが日本でもっと認められるようになるには、やっぱり格好良くありたい、格好良くなければならないと思います。格好良いの定義は人それぞれだとは思いますが、髪型や服装とか見た目の問題ではなく、例えば子供達がピッチ内の選手はもちろんのこと、ピッチ外の選手を見ても『○○選手みたいになりたい!』と思えるかどうか、夢を与えられるような、そういうところではないでしょうか。もちろん、それは選手だけでなく、サッカーに関わる全ての人にもいえることだと思いますけど。一人の『サッカー人』として、格好良くありたいものですよね。個人的には、サッカーから本当に多くのことを学んだ身として、もっともっと多くの人にサッカーの楽しさを伝えられるように、サッカーの喜びを還元出来るように、頑張っていきたいと思います!」

これが、森岡コーチの感じたJリーグ20年であり、これからのJリーグに向けての考えでもある、ということなんでしょう。話を聞いてみて感じたのは、やはりサッカーと関わって来た人の、サッカーの中を駆け抜けてきた人の考えらしいのではないかということ。外から見て語る有識者の人とは違った雰囲気があるという感じがしました。こうした意見の方が正しい、ということではなく、もっと色んな人の色んな考えや感じたことを集めることで、初めて「Jリーグとはどういうものなのか」というのが見えてくるんじゃないかと思いました。

森岡隆三コーチ、ありがとうございました。

以上

2013.05.18 Reported by 武田賢宗/編集・再構成:J'SGOAL編集部

2013.05.18 Reported by 武田賢宗
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