ガンバ大阪にとっては5月3日以来、約2週間ぶりとなる万博記念競技場でのホーム戦。公式戦初顔合わせとなるザスパクサツ群馬を迎える。前節の福岡戦では、今季初の敗戦を喫した神戸との前々節からメンバーを二人入れ替え、MFパウリーニョとMF二川孝広が先発のピッチヘ。その二人を含めて前線が躍動する中で、立ち上がりから主導権を握り、ゲームを支配。加えて、39分、44分にFWレアンドロが、後半立ち上がりすぐの59分にもMF倉田秋が得点を重ねて３−０と突き放し、優位にたった。ただ、以降の時間帯は暑さもあってか、徐々に個々の運動量も低下。前線のプレスにも甘さがみられ、かつDFラインも下がり過ぎてしまったこともあって全体が間延びし、福岡にスペースを与えることに。それが70、82分に許した失点に繋がった。その反省を踏まえ、群馬戦に向けては改めて「残り15分の戦いについて強調した」と長谷川健太監督。選手もそれは自覚するところで、展開、流れを踏まえた試合のおさめ方についての共通理解を深めたようだ。

「理想としては90分間にわたって圧倒していたいけど、この間の試合のように今後は暑さも厳しくなっていく中で、J2のチームは走れるチームも多いですからね。後半の戦いがより厳しくなることも考えられるけど、そういった時に、福岡戦の後半のように相手に押し込まれてしまわないよう、うまく時間と自分たちの良さを活かしながらサッカーをする必要が出てくる。早めに先手をとるのは流れを楽にするためにもすごく大事だし、当然次も先手をとった戦いを目指すけれど、そこで安心して動きの量が減ってしまうことのないよう意識して戦いたい（倉田秋）」
「リードした展開での試合のおさめ方は前節も課題として残ったので。例えばDFラインにしても、ラインをあげられるチャンスではしっかりあげたいし、90分を通して真ん中を締めるところは締めないといけない。つまり、誰か一人が頑張ってポジショニングしていてもダメですから。11人が組織としてのポジショニングを意識しつつ、相手にプレスをかけていくことを90分間続けていかなければいけないということを確認した（DF今野泰幸）」

注目は前節・福岡戦で、今季初めて揃って先発のピッチに立ったブラジル人コンビ、FWレアンドロとMFパウリーニョ。福岡戦でのMFパウリーニョの起用について、長谷川監督は「シューターを増やすことでマークの分散を期待したところもあるが、このところレアンドロの調子がなかなか上がってこなかった中で、パウリーニョを起用すれば喜んでやってくれるかなと思った」と冗談めかして話したが、実際、試合の中では彼ら二人で決定機を作り出すシーンもみられるなど、息のあったプレーを披露した。加えてFWレアンドロが挙げた２得点には直接的には絡まなかったものの、MFパウリーニョが前線で示していた攻守に献身的なプレーは評価されるべきもの。今節も存在感を示してくれるに違いない。

ザスパクサツ群馬は一時期、６連敗と低迷した後、11節の徳島戦での大勝で盛り返したかにも見えたが、松本山雅戦に引き分けた後は、再び、東京V、京都戦と２連敗を喫している。それでも京都戦では先発メンバーを４人入れ替える荒療治をした中で「戦う姿勢、走り切る、やり切る姿、その上でしっかりとボールを扱う、ボールを引き出すというところを徹底してやってくれた」と秋葉忠宏監督は手応えを語っている。あとはそれをいかに結果に繋げていくか。例えば前節の京都戦然り、個々の質という部分で上回れる相手をいかに組織として崩し切るかが、今節対戦するG大阪選手の質を考えても、明暗を分けるポイントの１つになるだろう。注目はチームきっての点取り屋、FW平繁龍一。前節の京都戦後には「まだ相手をどう崩していくのかに迷っている部分もある。そこをもっと練習でも突き詰めていかないといけない」と攻撃の課題を語っていたが、そこをいかに修正して、チャンスを見出すか。彼がゴールを決めた試合は今季、2勝1分と負けなしであることからも、チームを浮上させる『ゴール』を期待したい。

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2013.05.18 Reported by 高村美砂