菅野孝憲に代わって出場した稲田康志が完封し、ジョルジ ワグネルがゴールを決めて勝った直近のリーグ戦を終えると、5月15日に全州ワールドカップスタジアムで全北と対峙するこの流れは、昨年の同じ時期と非常に酷似している。違う点といえば、昨シーズンはグループステージ最終戦、今シーズンはラウンド16第1戦ということだけ。あの全北戦の再現をするには絶好のシチュエーションだ。
AFCチャンピオンズリーグでは、今まで対戦したことのない異国のチームとの邂逅が多い中、今回の全北はここまでで唯一2年連続での対戦となる。つまり今回の対戦ではACL特有のピッチ上での「どのような相手か」という探り合いは少なくなり、選手たちが昨シーズンの2度の対戦を思い出しながら、第1戦の戦い方をイメージできる点は大きい。
数名の新しい選手が加わったことで、全北は昨年よりもパワーアップしているが、それでもチームの中心がFWイ ドングッとMFエニーニョであることは変わらない。昨シーズンの対戦で2戦2勝という成績を収められた要因もこの2人を封じたからであり、イドングッとエニーニョを抑えることこそ勝利への近道になるのは昨年と同じだ。ただ、全北は“ポゼッション”と“パワープレー”の2つの顔を持ち、時間帯やスコアによって戦い方を変えてくる特徴がある。
エニーニョを中心にポゼッションで来る場合は、いかに陣形をコンパクトにしてスペースを与えず、はめることができるか。ここ数試合の柏は大谷秀和と栗澤僚一のダブルボランチのセカンドボール奪取率が高く、仮に全北にポゼッションでは上回られたとしても、ジョルジ ワグネル、狩野健太、あるいは復帰が噂されるレアンドロ ドミンゲスを起点にしたカウンターを発動して、相手のラインを下げさせれば主導権を握ることは可能である。浦和を上回る2位でグループステージを突破したが、決してその戦いぶりは盤石ではなかった。特に全北がパスをつないで攻撃に出ようとする時には綻びが生じやすく、柏はしたたかにその急所をカウンターで突いていきたい。
むしろ厄介なのは、パワープレーで来た時だろう。ネルシーニョ監督も「韓国特有のタフなフィジカルを生かしたプレーが多く見られる」と警戒を強めているように、全北には今シーズン新たにケヴィンという190センチの大型ストライカーが加わった。イ ドングッとケヴィン、この2人にハイボールを送り続け、たとえこの2人が決められなかったとしても、こぼれ球には2列目の選手が絡んでくる。何度も放り込まれ、ラインが下がった揚句に射抜かれてしまうというのは、昨シーズンのACLラウンド16で蔚山に屈した時の試合展開だ。
柏は、あの蔚山に屈した悔しさを糧に、「フィジカルを前面に押し出したパワフルなサッカーに負けない」という強い気持ちを持って、開幕前には的確な補強を行い、今シーズンのACLを戦ってきた。それがグループステージの快進撃を生んだ要因の1つだ。実際にネルシーニョ監督も「レイソルはACLの戦い方を生かし、順調に経験を積み重ねています。レイソルはACLに順応していると思いますし、それを生かせる試合になると思います」と全北戦を展望している。全北も昨年柏に2敗したリベンジの念が強いだろうが、柏にもパワフルなサッカーへのリベンジがある。
180分間の激闘、その前半戦となるアウェイの90分間。この試合で何かが決するわけではないが、できるだけ多くのアドバンテージを握り、柏での第2戦を迎えたい。
以上
2013.05.14 Reported by 鈴木潤
J’s GOALニュース
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