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【J2:第12節 長崎 vs 北九州】レポート:互角の戦いを見せた両チーム。サイドの出来が勝敗を分ける(13.05.04)

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第11節終了時点で、V・ファーレン長崎が3位、ギラヴァンツ北九州が21位。リーグ戦では対照的な成績の両クラブがプライドを賭けてバトル・オブ・九州を戦った。

試合は連戦中ということもありダービーながらも激しいぶつかり合いはなく、立ち上がりは互いに相手の出方を伺う慎重なものとなった。加えて共に中盤でのミスが多く、なかなかパスを前線まで繋げることができない。両チームとも前半はほとんど決定機を作ることはできなかった。

しかし長崎は北九州の縦パスをカットし始めると、第6節以来の先発出場となった古部健太が右サイドで前線の佐藤洸一や水永翔馬と連動してチャンスを作り始める。前半最大の見せ場は33分。山口貴弘のヒールパスを受けた佐藤が左からクロスを入れると、北九州のGK武田博行がファンブル。それを怪我から復帰し第3節以来の出場となった神崎大輔がフリーでボレーを放つ。ボールは枠を外れるも長崎のやりたい攻撃が見て取れた。

ボールをポゼッションしながらもアタッキングサードまで行くことができない北九州に対し、長崎はサイドを効果的に使う攻撃を見せており、前半のシュート数は公式記録で長崎は4本。北九州は1本だった。北九州はターゲットとなるFW大島秀夫を長崎のDF山口に封じられており、そこになかなか良いボールが入らない。ハーフタイムの指示は「相手のサイドから攻略しよう」(柱谷幸一監督)と狙いは長崎と同じくサイドでの展開を試みるが、勢いは前半終了間際から長崎にあった。

60分。ついに長崎に先制点が生まれる。この日先発となったボランチの前田悠佑が相手の左サイドにあいた大きなスペースにロングフィードすると、古部がこれを中央に折り返し、走りこんできた神崎が右足で合わせた。このゴールが決勝点となり、3戦連続の完封で2連勝、無敗記録を「9」に伸ばした。一方の北九州は、全く突破口を開けず。長崎とは対照的に泥沼の5連敗を喫した。

柱谷監督は「ゲームの内容としてはやるべきことをやれなかったというのがそのまま結果に繋がったのかなと思います。中盤のミスが多くて、アタッキングサードまで運べる回数も非常に少なかった」と感想を述べている。この試合、北九州はボランチの八角剛史やアン ヨンギュがパスを繋ぐパスサッカーをやっているのだが、攻撃に怖さがなくサイドバックの冨士祐樹の攻撃参加や交代で66分に入ったキム ドンフィが個人で状況を打開する以外に組織だった攻撃は見られなかった。

北九州の渡大生は試合後、連敗の理由を「何でですかね。ちょっと分かりません。すぐ試合がありますので、切り替えてやるしかない。負け癖が付いてしまっている。勝てば、流れを変えることは出来ると思うので、次頑張りたいです」と話し、八角は「何も出来てないということですね。今週、長崎を分析してトレーニングを続けて来て、相手のスキを突こうとしたけど出せなかったです。ありきたりですが、トレーニングしかないと思っています」と振り返っている。

ただし、柱谷監督は「若い選手も多いので彼らに経験をしっかり積んでもらい、非常に厳しい状況ではあるけれど、これを乗り越えた時に一つ上のチームになると思っています」と希望を失わない。そして、北九州のサポーターが試合前に歌う美しいチャント(応援歌)に「友よ」(岡林信康)がある。そのフレーズには「友よ夜明け前の闇の中で 友よ戦いの炎をもやせ 夜明けは近い 夜明けは近い 友よ この闇の向こうには 友よ 輝くあしたがある」とあり、深いクラブ愛を感じることができる個性的な名チャントだ。連敗が続く現在のクラブに対してもサポーターの包み込むような優しさを感じた。

一方、勝利した長崎だが、高木琢也監督は会見で「自信をつけてプレーするのはいいが、慢心や過信かはわからないが、いくつか追加点を取るために必要なプレーで少し判断にかけたシーンがあった。それは絶対にやってはだめだと思います」と厳しい言葉を口にした。今の長崎にとって過信ほど恐ろしいものはない。

ところで、快進撃を見せる長崎だがこの日会場を訪れた観客は4336人。今節行われた全てのJリーグの試合で最も観客が少ない。こちらもハードワークで魅力を発信していく努力が必要だろう。

以上

2013.05.04 Reported by 植木修平
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