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【J1:第9節 鳥栖 vs F東京】レポート:少ないチャンスでも結果に結びつけたF東京。終盤の猛攻を耐え1点差で逃げ切る。連係ミスから失点した鳥栖は、リーグ戦6戦で勝利なし(13.05.04)

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勢いとは、こういうことを言うのかもしれない。前半に放ったシュートは3本。その中でも決定的といえるものは、3本目のシュートだけだった。28分に放った前半最後のシュートが決まって先制した。ハーフタイムを挟んで、後半開始直後の46分の4本目、49分の5本目のシュートが立て続けに決まる。後半に放ったシュートの4本のうちの2本が、後半開始直後でしかもこれをキッチリと決める。試合終了20分前には猛攻を受け2点を返されるも、終わってみると最少得点差で勝ち切っている。F東京は、リーグ戦第3節C大阪戦からの4連敗から見事に立ち直り、3連勝を飾った。

迎え撃った鳥栖とて試合内容に関しては負けてはいなかった。いや、時間帯に分けてみると、F東京に勝っていたところが多かった。立ち上がりからアグレッシブさを見せて、F東京に攻撃の形を作らせなかったし、攻撃面でもサイドを起点にFW豊田陽平にキッチリとフィニッシュを合わせていた。前半放ったシュートは6本。そのうち4本は、FW豊田と池田圭が放ったもの。F東京のゴール近くで放ったもので、決まっていてもおかしくないものだった。特に、34分と38分の豊田のシュートは、相手のマークを完全に引き離してのフリーのヘディングシュートで、「数センチのズレ」(豊田)でゴール内に入っていかなかったものだった。前後半を通して、決定的な場面も多く常にFW2人がゴール前に顔を出していたにも関わらず、あと1点が遠かった。

「この試合で勝ちに値するプレーをしたのはF東京」とポポヴィッチ監督(F東京)は会見コメントを締めくくったが、「最後までハラハラドキドキ」(同監督)したのも事実だろう。
先制点となったFKで、「中を見ると人が多く、外にいたケイゴ(東慶悟)がフリーで目が合った」と落ち着いて対処したMF長谷川アーリアジャスールの判断も、2点目と3点目をあげたFW渡邉千真の自陣からのタテへのパスを決めた技術も、シッカリと流れを読んで選択したプレーで、ノッテいる証拠である。「我々は勢いを持っている。今日も勝点3を持って帰るために来た」とポポヴィッチ監督が笑顔で試合前に話しをしてくれたことが実践されたF東京の試合運びだった。

敗れたとはいえ、一時期の状態から脱していた鳥栖も、決して悲観だけする状況の試合ではなかった。「ゲームには負けてしまいましたけど、その中でまた前向きな姿というかそういう部分を発見できました」と尹晶煥監督(鳥栖)は評価した。62分に入ったMF高橋義希、65分のMF水沼宏太は、3点差を追うビハインドの状態だったが、チーム全体に流れを持ち込んだ。「ボールに絡むこととサイドを使うことを意識した」(高橋)プレーで、SB金民友、丹羽竜平、MF野田隆之介が幾度となくクロスを上げるシーンが増えた。終了間際には、水沼が右足で狙い澄ましたシュートを決めて1点差まで詰め寄った。個々の選手が攻撃的に役割を果たし、3点差からの反撃を見せたことは、確かに「これから先がより大事になって来る」(尹晶煥監督)といえるだろう。
だからこそ、「監督から『前から行け』と言われていたので意識したが、そんな時のリスクマネジメントが不足」(DF坂井達弥)するようなことがないように、コミュニケーションをシッカリととらないと勝ちには結びつかない。この試合でリーグ戦6試合で勝利はないが、ヤマザキナビスコカップ予選(新潟戦)から、鳥栖の戦い方はできている。「結果は出ていなくても、やり方を変える必要はない。継続することが大事」と第7節柏戦での敗戦後に語ったDF小林久晃の言葉がすべてではないだろうか。

時に実力以上の力を出すことがある競技の世界。強いメンタルやファンやサポーターの声援の成せる業に違いない。
とはいえ、相手があるサッカーでは、実力通りの試合にならないことも多い。攻撃と守備の2局面しかない状況なので、「ミスは起きるもので、ミスした後の対処が大事」と言われるゆえんでもある。
相手のストロングポイントを封じ込めるのもサッカーならば、相手のウィークポイントを突くのもサッカーである。
サッカーは、瞬時に流れをよみ、判断しないと勝てないスポーツなのである。

以上

2013.05.04 Reported by サカクラゲン
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