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【J1:第8節 新潟 vs 鹿島】レポート:鹿島が新潟の追い上げを交わして、リーグ戦4試合負けなし。新潟は初の連勝を逃す(13.04.28)

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鹿島が3-2で新潟を下した。前半6分、柴崎岳のミドルシュートで先制すると、後半11分にはコーナーキックからダヴィのヘディングで追加点。その後、新潟に反撃を許すが、後半33分にフリーキックから山村和也が押し込んで突き放した。
新潟は序盤にチャンスをつかむが決め切れず、後半に追加点を許した。後半22分に成岡翔、アディショナルタイムには大井健太郎のゴールで追い上げるが及ばず。今季初の連勝はならなかった。

巧者・鹿島が要所をしっかりと押さえた。前半6分、中盤でボールを奪った柴崎が中央をドリブルで持ち込む。新潟の守備の寄せが甘くなり、新潟のGK黒河貴矢が前目にポジショニングした隙を逃さなかった。「GKが前に出ていたので、後ろを狙えば、GKが戻るうちに入ると思った」。狙いすましたミドルは、黒河の手をはじき、バーに当たった後にインゴール。「イメージしたとおりの軌道だった」と会心の1発がチームを乗せた。

続く2点も相手のエアポケットを突いたもの。後半11分は野沢拓也のコーナーキックを、中央で守備を引き付けた大迫勇也がファーに流す。そこにマークを外したダヴィが頭から飛び込んだ。1点差に詰められた後半33分は、野沢のフリーキックのこぼれ球を相手がクリアしたところ、山村が押し込む。

スペースか空いた局面、相手がボールウォッチャーになったところを見逃さなかった。「鹿島の選手は勝つため、得点するために一番いいことをやっている」。新潟の柳下正明監督が脱帽するほどの勝負感。鹿島のトニーニョ セレーゾ監督は「それぞれがダイナミックさをピッチで表現できるようになった。開幕当初は集中力の持続が課題だったが、選手たちが意識して取り組むようになった」と評価した。

新潟にポゼッションを許した。ミスからボールを奪われる場面も少なくなかった。それでも、チャンスをつかんだときは集中力を発揮。「まだシーズンは始まったばかり。何かを成し遂げたわけではないので、やることは多い。しっかりとそういったことをやっていきたい」。トニーニョ セレーゾ監督の謙虚な言葉の中には、チーム力への確かな手応えが含まれていた。

新潟は終盤に成岡と大井のゴールで追い上げた。最後まであきらめなかった。ただ、安定感は欠いていた。立ち上がりはサイドを使ってアタッキングサードに。ただ、課題になっている、最後の一本の精度を欠く。左サイドから持ち込んだ田中亜土夢のシュートは枠を外れ、前線の連係からフリーになった岡本英也の一本はGKの正面。

失点も課題が出た。3失点のうち2失点はセットプレー絡み。鹿島との前回対戦、ナビスコカップ予選での2失点を加えた2試合の合計5失点のうち、4失点がセットプレーから。しかもダヴィには3点を奪われている。「悔しいの一言。悔しさを持っていないのであれば、そんな選手は成長しないし、このチームにはいらない」。柳下監督は叱責した。

田中達也が腰痛、ブルーノ・ロペスが左足首負傷で、この日はベンチ登録を外れた。岡本、川又堅碁のツートップで始まり、後半開始からは、ベンチに下がった岡本に代わって成岡が中盤からトップへ。アディショナルタイムには、高さのあるセンターバックの金根煥がFWに入るなど、スクランブルだった。そこで今季初めて複数得点を挙げたことは成果だった。ただ、「前半で取っていれば、こういう形にはならなかった」。田中亜が言うように、決定力不足の影響は大きかった。

収穫だったのはリーグ戦初スタメンでフル出場したルーキー川口尚紀。右サイドバックに入ると、果敢に前に持ち込んでチャンスメーク。守備でもジュニーニョに張り付き、ゴール前での仕事をさせなかった。「フル出場が最初の目標だった。今度は自分が試合に出て勝ちたい」。前向きな姿勢が今後、チームを刺激していく。

着実に勝点を重ねた鹿島と、波に乗り切れない新潟。1点差の中で分かれた明暗の中には。対照的なチームの状態が現れていた。

以上

2013.04.28 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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