ゴールデンウィークにおけるJ2リーグ4連戦の幕開けは、ガンバ大阪がガイナーレ鳥取を迎えてのホームゲーム。公式戦では初顔合わせの両者だが、開幕前には2度の練習試合を実施。チュウブYAJINスタジアムで行ったレギュラー組を中心にした一戦では0-5とG大阪が圧勝し、その翌日に控え組を中心に行われた万博での一戦でも1-0とG大阪が連勝を飾っている。但し、練習試合と公式戦では試合そのものの緊張感も含めて大きく違いがあると考えても決して油断はできない。G大阪としては3連勝の好調ムードを繋げ、今季初のホーム連勝を飾りたい。
直近の3試合を振り返った際に、G大阪が勝利を引き寄せるカギになっているのが『先制点』だ。8節の山形戦では21分にセットプレーでDF岩下敬輔が、9節の松本山雅戦では4分にDF藤春廣輝の左サイドからのクロスがオウンゴールを誘って先制点を手に。また、富山戦にいたっては開始わずか2分にFWレアンドロが早々とゴールをこじ開けた。このことは、単にリードを奪うのみならず、選手を気持ち的に落ち着かせ、かつ、相手チームが攻勢に出ざるを得ない状況に追いやることによって、逆にG大阪がより攻撃のリズムを作りやすくなっているという相乗効果も生んでいる。その攻撃の軸の一人、MF二川孝広は言う。
「ここ最近はほぼ最初のチャンスをしっかり決め切れている。それによって相手も出てこざるを得なくなる状況になる中で、全員がしっかりとハードワークをしながらいい守備しつつ、ボールを奪ってからの攻撃の構築という面でも、ボールを保持しながら余裕を持ったボールまわしも出来ているし、自分たちのリズムでの試合を進められている。序盤の5試合を振り返っても、J2リーグの場合、0−0で進む時間が長くなるほど、最後は相手がパワープレーで捨て身の攻撃を仕掛けてくるなど勢いを増してくるのが常でしたからね。そういう展開にしないためにも、チャンスを確実に決めることが流れを引き寄せるにはすごく大切だと思う」
だからこそ「先制点は今節も鍵になる」とMF二川。実際、先に書いたアウェイの地での鳥取との練習試合でも、シーズン前の準備期間ということもあってか、前半はなかなかリズムに乗れず30分にあげたFWレアンドロの1ゴールが精一杯という展開だったが、後半、開始早々46分のFW阿部浩之のゴールを皮切りにゴールラッシュに。そこからは直近のJ2リーグ、カターレ富山戦のように効果的に得点を重ねて相手を突き放すことが出来た。そのことからも、今節もぜひ、まずは『先制点』でG大阪の攻撃サッカーの口火を切りたいところ。ホームでは前節の松本山雅戦が初勝利で、なかなかG大阪らしい攻撃サッカーを示し切れていない今季だが、その流れを払拭するためにも、立ち上がりから集中して試合に入り、試合を優位に運ぶための先制点を奪い取りたい。
G大阪とは対照的に、ここ3試合は3連敗と苦しんでいる鳥取。白星ということで数えれば、3節の水戸戦以降、約1ヶ月半、遠ざかっている。また、これもG大阪とは対照的にここ数試合は「試合の入り方」が悪く、不容易なミスから失点を喫していることも試合のリズムをつかみ切れない要因の1つ。加えて深刻なのが、ここ4試合、いずれも無得点に終わっていることだ。但し、前節、3-0で敗れた京都戦後、小村徳男監督は「後半は相手のミスもあったとはいえ、しっかりボールを奪ってからの攻撃を仕掛けることが何回か出来た。今後に繋がるな内容だった」とコメント。攻撃に対する手応えを口にしている。そのことからも、またG大阪の攻撃力を思えばこそ、守備意識を高く持った、落ち着いた試合の入りを心掛けた上で前節の後半に魅せた攻撃を作り上げることが理想だろう。
今季のJ2リーグはやたらと『元Jリーガー監督』の対決が目を惹くが、今節もまたG大阪の長谷川健太監督と鳥取の小村徳男監という、選手時代にJリーグで凌ぎを削りあった同士の顔合わせとなる。それぞれの個性、監督としての手腕がどのようにぶつかり合うのかも楽しみにしたい。
以上
2013.04.27 Reported by 高村美砂
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