4月最後の試合となるこの第11節。現在勝点13で15位につける札幌が、同7で20位の熊本をホームで迎え撃つ。この試合は厚別公園競技場で行われる今シーズン最初の札幌のホームゲームだ。
札幌の前節は敵地で長崎と対戦し、スコアレスドロー。「引き分けでラッキーだった」と財前恵一監督が素直に振り返ったように、チームとしてのパフォーマンスは決して芳しくなく、厳しい試合となった。その要因としては水曜日にゲームを行ってから中3日だったという日程が挙げられるが、特に札幌はその水曜日のゲームも鳥取と敵地で戦っており、その間は帰札せず大阪で短期合宿を張ったものの、やはりフィジカルやメンタルのコンディションは不十分。「前半から選手の体も重く、動きが遅く、反応も遅く」とも指揮官は発していた。
ただし、だからこそ勝点1の意味は大きい。特に今シーズンの札幌は内容の良い試合をしながらも、ちょっとした隙から敗れてしまうことが幾つもあった。そうしたなかで長崎戦ではパフォーマンスがなかなか上がらないなかでも、チームが粘り強くドローに持ち込んだのである。今シーズン初のドローゲーム。チームとしての成長を示した一戦だったと言えるだろう。
また、スケジュールの詰まった8節からの3戦を2勝1分という上々の成績で終えており、「最低限の結果は出せた」(財前監督)。いい流れでホームに帰ってきたと言えるだろう。
一方、アウェイの熊本の前節はこちらも敵地で山形と対戦し、0−1のスコアで敗戦。これで3連敗となり、7戦続けての未勝利となってしまった。
「前半やや消極的になってしまったのが残念」と山形戦を吉田靖監督は振り返る。なんとか流れを変えたい一戦ではあったが、結果が出ない時期というのは、試合の入り方の部分もなかなか難しいものになってしまうのだろう。
それでも後半は「いい形が、前からアグレッシブに行けた部分もあった」(吉田監督)だけに、最低限、前半を無失点で終えることができていれば状況は違ったのだろうが、43分という時間に失点をしてしまったことが大きく響いてしまった。
それと同時に、4戦連続無得点という、得点力不足の部分も連敗の大きな要因になっている。ここについては「最後のところで力が足りず」と指揮官は無得点の背景を口にした。山形戦では後半からシステムを変えるなどして攻撃力を上げるための策を講じたが、結実しなかったのも悔しいところだろう。ひとつ得点を取れれば、一気に流れが変わる可能性もあるので、何とかしてまずはどんな形でも、相手ゴールネットを揺らしたい。3連敗中ではあるものの、その3戦はどれも0−1と惜しい試合ばかりであることも確認しておきたい。
そうして迎えるこのカードで焦点となりそうなのは、立ち上がりの攻防だろう。調子を上げている札幌は3戦ぶりのホームゲームということもあり、序盤からアグレッシブに仕掛けていくことは間違いない。そして、それに対して連敗中の熊本が受け身に回ることなく、同じようにアグレッシブに挑めるかどうか。そうした展開になれば、見応えのある熱い攻防が演じられることも間違いないだろう。
そして最後に、気温が二桁になる日も増えてきた札幌市内だが、厚別競技場は特有の風が吹くこともあり、体感気温はまだまだ低いはず。観戦に行かれる方は充分にご注意を。
以上
2013.04.27 Reported by 斉藤宏則
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