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【J2:第8節 福岡 vs 北九州】プレビュー:「かかってきんしゃい」vs.「ぶちくらせ北九州」。5回目を迎える福岡ダービーは激闘必至。(13.04.14)

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目の前の試合の全てに勝ちたい。たとえ力の差があろうとも、自分たちがどのような状況にあろうとも、勝つこと以外は考えない。そう思うのがアスリートとしての本能だ。しかし、互いのレベルが拮抗しているプロの世界では、全ての試合に勝利を収めることは不可能。まして、リーグ戦は1年間に渡って戦う長丁場。どうしても好不調の波はあり、当然のように、結果としては敗れることもある。その敗戦をただ悔やむだけではなく、結果を受け入れ、問題点に正面から取り組み、そして次の試合に向かっての準備を積むこと。その繰り返しの先に自分たちが望む場所が待っている。目先の結果に一喜一憂するだけなら、望むものは手に入れられない。

それでも、どんな状況にあろうとも絶対に勝たなければいけない試合がある。内容は問われず結果だけが大切な試合がある。そして、敗戦など決して受け入れられない試合がある。それがダービーだ。数字の上で手に入れられるのは勝点3。それは他の試合とは変わらない。けれど、同一地区にホームタウンを置くチーム同士が戦うダービーは、勝点だけを手に入れるための戦いではない。その地区を代表するチームがどちらかを決める試合にかかっているのは「おらが町の誇り」。選手たちは自分自身の、そしてチームの誇りだけではなく、チームに関わる全ての人たちの誇りとホームタウンの誇りを背負って戦う。その戦いに負けることはおろか、引き分けることさえも許されない。求められるものは「勝利」の二文字。それ以外に必要なものは何もない。そして14日、アビスパは5回目の福岡ダービーをレベルファイブスタジアムで戦う。

ここまでの対戦成績はアビスパの3勝1敗。しかし、アビスパにとっては3勝よりも、1敗が強く心に残る。アビスパ側の視点だけで言えば、Jリーグでの歴史は北九州よりも圧倒的に長く、資金規模も北九州を大きく上回る。北九州を上回る平均入場者数は、それだけ背負っている責任が重いことを示すものだ。しかし、昨シーズン、本城陸上競技場で喫した福岡ダービー初黒星は、スコアも内容も完敗。それは今でも許容できない歴史として刻まれている。「去年の対戦成績は1勝1敗だが、自分の心の中には負けた試合のことしかない。それだけダービーの結果は重い」と城後寿は話す。その想いを消すためには、ホームで戦う5回目のダービーを圧勝するしかない。

もちろん、ギラヴァンツとて、やられる気持ちなどさらさらない。クラブがダービーに向けて掲げるのは「ぶちくらせ北九州」。なんとも勇ましい言葉だが、そこにクラブの、チームの、そしてサポーターの、この試合にかける思いの強さが表れる。「ダービーというのは、やっぱり絶対に勝たなければいけない。年間の順位に拘わらず、シーズンが終わった時に、対戦成績で勝っている方が強いと言えるのがダービーだと思う。他のゲームとは違って凄く重みのあるゲーム。それまでのゲームも全力で戦っているが、より集中して、勝ちに行かなきゃいけないゲーム」と話すのは柱谷幸一監督。昨シーズン、本城陸上競技場で手に入れた福岡ダービー初勝利の再現を狙う。

アビスパも、クラブが作成した告知VTRでマリヤン・プシュニク監督が「かかってきんしゃい」と力強く宣言する。20年に渡る指導経験をヨーロッパで過ごしたプシュニク監督だからこそ、ダービーが持つ重みは誰よりも知っている。そして話す。「ギラヴァンツには経験のある選手も、質の高い選手もいる。他のチームと同じように私は彼らをリスペクトしている。だが我々は恐れてはいけない。勇気を持って挑まなければならない。重要なことは、勝つことで、スポンサーの方々、クラブ役員、サポーター、そしてアビスパに関わってくれている全ての人たちに満足してもらうことだ。さらに最も重要なことは、ダービーとは、我々の誇り、威厳、名誉をかけた戦いであるということ。我々が九州で一番強いチームであることを証明したい」。

互いのスタイルからすれば、試合展開は、ボールを支配して縦に速いサッカーでゴールを目指すアビスパと、堅固な守備組織から前線のスピードを活かしてカウンター攻撃を仕掛けるギラヴァンツという図式になりそうだ。しかし、ダービーは特別な試合。何が起こるかは戦ってみなければわからない。そして、結果を手に入れるのは「勝ちたい」という気持ちが上回ったチームであることだけは確かだ。相手云々ではなく、どれだけ強い気持ちで自分たちのサッカーが出来るか。勝敗の分かれ目はそこにある。
そして2013年4月14日(日)、九州一熱い戦いは16:00に戦いの火ぶたが切られる。

以上

2013.04.13 Reported by 中倉一志
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