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【ヤマザキナビスコカップ 川崎F vs 磐田】プレビュー:今季未勝利の川崎Fは、2つのポイントの改善で、磐田を相手に公式戦初勝利を目指す。(13.04.03)

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川崎Fが産みの苦しみの中にいる。リーグ戦、ヤマザキナビスコカップの5試合を戦い未勝利。更に言うと、リーグ戦で対戦した今季J2から昇格の大分、甲府の2試合を含めた全試合で先制点を奪われ続けている。不名誉な連続記録は、勝てないチームの苦しさを象徴しているようにも思える。

そんな川崎Fの風間八宏監督が、このヤマザキナビスコカップ・磐田戦に向けた改善すべき課題として2つのポイントを上げている。1つはスムーズな攻撃。そして、もう一つが90分間、集中すること。そのために頭をしっかりとコントロールするということ。

スムーズな攻撃というポイントに関しては、相手が川崎F攻略のため引き気味のポジションを取る事が増え、川崎Fのポゼッション自体が増える傾向とリンクしている。その結果「思ったよりも攻めれる」ことにより厳しさが緩む傾向があるのではないかと風間監督。気持ちに余裕が出てしまうという点について中村憲剛は「90分あるから、というのもまたもしかしたらダメなのかもしれない」と話す。余裕を持って、焦らずに90分間でサッカーをするという意味でよく使われる「90分ある」という考えが、逆に攻撃のワンパターン化や、勝負どころでテンポアップできていないという可能性について指摘していた。そんな中村は「時にはロングボールを使ってもいいわけで。シンプルにクロスを入れて点になったりしてますしね」と話す。つまり、サッカーは90分間で戦うものだという従来の考えを一歩進め、前半のうちから何回か、何分間か、全力で集中して攻め切る。勝負どころを作る、感じる必要性について言及したわけだ。試合の流れを読むという大事な視点だと思う。

ちなみに前述のとおり今季の川崎Fは全試合で先制を許しており、試合終盤に必要に駆られて集中した攻撃を見せてきた。鳥栖戦しかり、甲府戦しかり。あの猛攻撃を、相手の体力がまだ落ちていない難しさはあるが、前半のうちから意識して出せれば少なくとも攻撃のワンパターン化は避けられる。また、これまでの戦いを見ても分かる通り、先制できさえすれば非常に楽な試合運びができるはず。引きこもりがちな相手は前に出ざるを得ず、そうなればスペースはいたるところに出現してくるからだ。

チーム全員のベクトルを合わせる必要はあるが、中村はメッセージ付きのパスを出せる選手である。相手選手を一枚ずつ丁寧に剥がすパスワークと共に、速攻を意図したロングパスを併用して攻撃を紡ぎだしてほしいところだ。

風間監督が求めるポイントの2つ目である集中については、問いかけ続け、それを選手個々は意識し続けるしか無い。少なくとも、合宿での準備が順調だった川崎Fは「マインドの部分。どのような考え方をして、どのような集中。やる時、やらない時。そういう時のモノを高めて行く段階」(風間監督)にある。残念ながら、勝てない現状に対し何か決定的な打開策があるわけではない。決定的な戦術、フォーメーションがあるわけでもない。ただ、少しずつチームの完成度を高めていくしか無い。そして、その完成度を上回ろうと対戦チームは川崎Fの良さを殺すべく研究をしている。だからこそ、戦いは厳しいものになる。今は耐える時なのだと割りきるしかない。

内容と結果がリンクしない川崎Fと同様、リーグ戦では2分け2敗の磐田ではあるが、ヤマザキナビスコカップでは好調を維持している。第1節の敵地での大宮戦を2−0でものにすると、ホームで清水を迎え撃った第2節のダービーマッチを5−1と大勝し、Aグループの首位につけている。そんな磐田で警戒したいのは、ケガで昨季の大半を欠場した金園英学である。今季は開幕戦からコンスタントに出場時間を伸ばしており、現在ヤマザキナビスコカップ、リーグ戦を含め公式戦3試合連続ゴール中だ。泥臭く体を張って戦えるスタイルで、敵にすると嫌なタイプの選手である。ここに試合を決定づけることのできる山田大記や松浦拓弥といった選手が絡む攻撃には怖さがある。

攻撃にタレントを揃える一方で、リーグ戦の鳥栖戦ではゾーンで守るセットプレーに脆さを見せている。豊田陽平というストライカーにしてやられた格好ではあるが、それにしても不用意な失点を重ねてしまった。磐田の森下仁志監督にすれば最優先で修正すべきポイントであろう。ちなみに川崎Fのセットプレーの守備もゾーン方式。磐田の山田が、リーグ戦の鳥栖戦で決めたセットプレー時のゴールのような形で昨季失点したことがあるだけに、警戒したいところ。いずれにしても、両チームとも得点の可能性があるという点で、セットプレー時には目を離さないようにしたい。

7チームが参加して1回戦総当りの6試合で行われる予選リーグを勝ち上がるには、上位2クラブに入る必要がある。昨季も予選リーグで敗退している川崎Fにとって、今季はなんとしても決勝トーナメントに進出したいところ。だからこそ、これ以上の負けは許されない。等々力で試合ができるというメリットを最大限に生かし、今季の公式戦初勝利を手にしてほしいと思う。

以上

2013.04.02 Reported by 江藤高志
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