ヤマザキナビスコカップ予選リーグＢグループは、Ｆ東京、名古屋、Ｃ大阪の３チームが勝点４で並ぶ。Ｆ東京は得失点差で首位にいるが、名古屋も同勝点で２位につけている。

この試合では連戦が続くため、互いに体調を考慮してコンディションの良い選手の起用が予想される。ポポヴィッチ監督は名古屋について「ここ数年間、常に３位以内をキープしてきた。昨年も最終節に勝っていれば、アジアチャンピオンズリーグに出場していた。それだけの経験を彼らは積んでいる」と言う。そして、リーグ優勝を果たした２０１０シーズンを振り返って「彼らはおそらく優勝した年は10試合以上１点差で競り勝っていた」と言う。その要因に田中マルクス闘莉王の存在を挙げた。
「彼の強烈なキャラクターは、チームにとって大きなキャピタル。セットプレー一つとっても、彼はただそこにいるだけじゃない。絶対に点を取るという雰囲気を常に醸し出している。国内に彼のような勝者がいることは貴重なことだ。私たちも彼から見習うべきところはある」
今季のＦ東京が目指すのは「いいサッカーをして勝ちきること」だ。接戦を勝ちきることができる名古屋に競り勝てば、ポポヴィッチ監督は「自信になるはずだ」と言葉にした。

Ｆ東京は、ＦＷ平山相太が前日練習の主力組の１トップに入った。平山が公式戦で先発出場したのは２０１１年３月５日のＪ２リーグ第１節鳥栖戦。明日試合開始からピッチに立つことになれば、実に７６０日ぶりに芝生の上で試合開始の笛を聞くことになる。平山は「まだ分からないが、そういう（先発の）準備はしています。期待は感じているので得点したい」と待ち焦がれた出番に静かな闘志を燃やす。
平山がポジションを争うライバルは好調を維持している。渡邉千真は６戦５発でチームを牽引し、李忠成は公式戦２試合連続ゴール中だ。また、前線だけでなくチーム全体が好調を維持しているため、リーグ戦では思うように出場機会を得られていない選手もいる。平山だけでなく、河野広貴は「ガンガンいきます」と言い、三田啓貴は「ここがチャンス。絶対に負けられない」と話し、この機会を逃すつもりはない。
Ｆ東京は、最前線の平山にボールが入ったところから攻撃が始まる。名古屋のＣＢとアンカーのダニルソンは屈強だ。平山がこの局地戦で上回れば、２列目にはボールを持って力を発揮する選手が敵陣に相手を長い時間押し込むことも可能となるだろう。

両チームともに勝てば勝点を７に伸ばすことができる。決勝トーナメント進出には、負けられない試合だ。明日19時、味の素スタジアムでキックオフする。

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2013.04.02 Reported by 馬場康平