C大阪とF東京の、今季開幕2連勝同士の直接対決は、C大阪が山口螢の2戦連続決勝ゴールにより、1-0と勝利。1998年以来のJ1開幕3連勝を果たした。大阪長居スタジアムでの過去のF東京戦(J1、ヤマザキナビスコカップ、天皇杯)では、1勝2分4敗と苦手にしていたC大阪。J1では2005年に土壇場で優勝を阻止され、翌06年には1-5という大敗を喫した。11年の天皇杯準決勝では、当時J2のF東京に試合を支配され、国立決勝への道も断たれた悔しい思い出もあった。だが、今回は違った。2004年セカンドステージ第1節(4-3)以来、9年ぶりに、桜色の聖地で、青赤軍団から白星をもぎ取ったのだ。
ただし、茂庭照幸が「(F東京は)めっちゃ強かった。こっちは耐えて、耐えて、90分やっていた」というように、C大阪は相手の流動的な攻撃を受ける時間が、序盤から続いていた。21分にはルーカスに一度はゴールネットを揺らされたが、直前のプレーが相手のファウルという判定で、ノーゴールとなり、事なきを得た場面もあった。前半のC大阪の決定機は35分にあったシンプリシオのシュートのみ。それも大きく枠を外れ、決めきることができなかったが、前半を0-0で折り返した。
それでも、今季のC大阪は開幕2試合でも後半からの選手交代で活路を開ける選手層がある。そして、今回もそうだった。後半早々、C大阪のレヴィークルピ監督は勝負をかけた。移籍後初先発が古巣対決だった、守備が得意の椋原健太に代えて、今回はベンチスタートとなった、攻撃力のある丸橋祐介を投入。椋原と同じく今季からC大阪に加わり、いきなり初出場となった左サイドバックの新井場徹を右にポジション変更する。「左サイドから攻撃を仕掛けるべき」という指揮官の狙いのもと、先手を打つと、この采配がいきなり功を奏した。
47分、きっかけは柿谷曜一朗がF東京DFのパスをカットしたところからだった。柿谷が一度後方に戻し、藤本康太、扇原貴宏、シンプリシオとテンポ良くつないでいく。そして、センターサークル付近で受けたエジノが、1トラップ後、左サイドスペースにうまくボールを送ると、そこに走り込んできた丸橋もニアサイドにダイレクトでグラウンダーのクロスを配球。前線の南野拓実がさらに左足でボールを流すと、待っていたのは山口。ゴール前でフリーだった6番が、冷静に左足で押し込んだ。8選手が絡んだ、流れるような、C大阪らしいパスサッカーで、先手を得ることができた。
そこからは、反撃に転じてきたF東京の攻勢を、再び耐える時間が続いた。54分にはルーカスの絶妙なパスから東慶悟に押し込まれたかに思われたが、これもオフサイドの判定に救われた。また、途中出場の李忠成には立て続けにゴールを脅かされるシーンもあったが、GKキム ジンヒョンの好セーブ、藤本のカバーリングでこのピンチもしのいだ。終盤はほとんど全員がC大阪陣内で守備をする形となったが、最後まで自軍ゴールを死守。今季2度目となる1-0での勝利をおさめた。
「連係の部分というところで、完成度という意味では、まだまだもの足りないので、これから試合を重ねるごとに、この連係の部分をより磨き上げなければいけない」と、レヴィークルピ監督は勝っても課題を口にした。「今日は後半、ベンチを振り返ったときに、思わず『ビリケンさん』に(試合に)入ってもらおうか…(笑)、と思うくらいの時間帯もあった」とユーモアも交えていた指揮官だが、今年の3月、3連勝スタートとなり、大阪の桜前線は上昇が止まらない。ちなみに、通天閣の幸運の神様『ビリケンさん』がC大阪戦来場時の必勝神話も、これで4戦4勝と継続した。
一方のF東京は、今季初黒星。C大阪の柿谷と同様に、渡邉千真、長谷川アーリアジャスールの連続得点もここでストップした。また、ランコポポヴィッチ監督をはじめ、ジャッジに苛立つ場面が目立ち、試合終了後にもGK権田修一が警告を受けるなど、後味の悪い終わり方でもあった。しかし、李忠成は、「自分たちで失点しているし、自分たちのミス。自分たちの力で今日は動かせる試合だったと思うので、レフェリーどうこうではないと思う」と、反省の弁を述べていた。また、ランコポポヴィッチ監督も「自分たちのサッカーを継続してあるべき姿を見せ続けること」と、F東京のサッカーを追求して勝利を目指すことを改めて誓っていた。
以上
2013.03.17 Reported by 前田敏勝
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