試合後のヒーローインタビュー。お立ち台に立った横浜F・マリノスの栗原勇蔵は、インタビュアーの「ゴール、おめでとうございます」の言葉に破顔一笑した。
「アザースッ!! 久しぶりの得点だったので、すごく気持ちがよかったです!」
2011年10月1日のアルビレックス新潟戦以来の得点が、よほどうれしかったのだろう。普段は“刈り上げ七三”ヘアーをビシッと決めたコワ面が、檀上では終始ニコニコしていた。得点シーンは45分、CKからの浮き球のルーズボールの落ち際を左足でズドン。よく抑えたシュートをネットに突き刺した。
同じくお立ち台に上がった兵藤慎剛は、2試合連続ゴールをゲット。60分、小林祐三の右クロスをファーで待ち構え、「ごっつあんゴール」(兵藤)。彼ら2人が決めるべきところで決めたことが、横浜FMの大きな勝因だ。なぜならこの試合、他に決定機がなかったからである…。また、この決定力の高さこそが、3連勝の要因の一つと言えるだろう。
逆に、敗れたジュビロ磐田には、それが足りなかった。6分、右サイドからMF駒野友一がクロスを供給し、FW金園英学がヘディングシュート。これをゴール枠内にいたDF中澤佑二に間一髪クリアされる。18分にはCKの流れから伊野波雅彦がペナルティーエリア内からシュートを放つも、再びゴールライン上で中町公祐にブロックされた。運がないと言ってしまえばそれまだけでだが、この2本の決定機を決めていれば「流れが違っていた」(栗原)はずだ。
また、磐田が勝機を逃すポイントとなったのは、69分のチョン ウヨンの退場。「結構、押し込まれた。相手が1人少なくなければ、もっと押し込まれただろう」と、中村俊輔が言うように、追い上げムードに水を差してしまった感がある。
ただし、内容自体は、それまでの2試合同様に悪くない。前田遼一の懐深いボールキープと金園のゴール前での迫力は、相手に脅威を与え続けた。駒野友一は攻撃参加で対面のドゥトラを自陣へ押し込む。特に後半はまるで“右クロス製造機”がごとく、ゴール前へセンタリングを何本も送り続けた。そして山田大記のパスも思わず「オッ」と唸ってしまうものが多く、背番号10に恥じないプレーぶりだった。
彼らの個の力が放つ圧力よって、横浜FMの最終ラインが下げられたことで、山田の45+2分のゴールが生まれたのではないか。「あの位置で打たれたのがよくなった。もう少し後ろ目だったら、彼(山田)はパスを展開したはずだから。シュートを打たれた位置が高かったと思います」と、ボランチ富澤清太郎は振り返る。守備ラインが下がり、中盤との間にギャップが生まれ、そこを山田に突かれ、ボレーを叩き込まれたのだ。
首位を走る横浜FMだが、この失点に表れているように、「真の強さ」をまだ身に付けたわけではない。“得点直後の失点”もオープニングゲーム、湘南ベルマーレ戦の反省点が生かされていない(湘南戦は40分に得点後、41分に失点)。この日は兵藤の2点目(60分)直後の61分にも、山田にゴール正面でシュートを打たれ、DFが体に当てて防ぐピンチもあった。まさに「勝って兜の緒を締めよ」の言葉が当てはまる。
以上
2013.03.17 Reported by 小林智明(インサイド)
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