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【J1:第2節 川崎F vs 大分】プレビュー:数的不利の守備について見なおした川崎Fは、速攻とセットプレーが特徴の大分を迎え撃つ(13.03.08)

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シーズン前の練習試合における好調な経過を背景として、意気込んで臨んだ開幕戦は残念な結果となった。開始早々にミスをきっかけとした先制点を奪われると、前にかかった後半にさらに2失点を積み重ねてしまった。分厚く攻め込めていた割に、得点はレナトが決めたCKからの1点にとどまっており、そういう意味でも悔しさの残る敗戦となった。

ただ、1−3の敗戦に収穫がないかというとそういうこともない。柏というチームを相手に押し込む時間を伸ばせたという点。また、川崎Fが追いかける展開となったにせよ、シュート数でも柏を上回る17本を浴びせかけており、内容としても一定の評価ができるものとなった。この試合内容について風間八宏監督は「実際問題、あれだけ押し込める。ある程度は(やれると)思ってましたが、レイソルを相手にあれだけ押し込めるようになった」と評価している。ただ、いくつか修正すべき点があるとのことで、その1つとして相手ゴール前での過剰な力みについて言及している。

「自分たちにチャンスができるので少し力んでいるところはある。力を抜けば入るものが、力を入れれば入らない」

これについては新任の西本直トレーニングコーチの教えがまさにその回答となり得るのだが、選手がそれを実際に試合で実行できるかどうかはまた別問題。フィニッシュの場面での平常心を期待したいところである。

開幕戦の柏戦では、ミスをきっかけとした鋭いカウンターで失点を積み重ねた。中盤で悪い形でボールを失い、あっという間にゴール前にまでボールを運ばれている。今節対戦する大分は、選手全員が献身的に走り回るチームである。前線からがむしゃらに守備する一方、攻めこまれれば3枚が基本の最終ラインが5バックとなり、思い切ってゴール前に人数をかけて守りに入る。これに対し川崎Fは、丁寧にパスを繋ぐスタイルを取るため、中盤で不用意な形でボールを失うと途端に厳しい局面を迎える事となる。また、相手に帰陣のための時間を与える形が多くなるため、攻撃の枚数が自然と増える事となる。つまり、ちょっとしたミスによるボールロストの結果として、手薄な守備陣に対するカウンターを受ける場面が想定されるのである。それは前節の柏戦でいえば、中盤でボールを失うことで受けた1失点目や、前掛かりに攻めたことで逆襲された3失点目のような形である。こうした失点を繰り返さないよう、この大分戦に向けて風間八宏監督は修正を施している。

例えば柏戦の3失点目の場面で言えば、川崎Fは実に5選手が相手側のペナルティエリア内にポジションを取るという状況があった。そうした攻撃的な姿勢は、1つのパスミスによって大きなピンチとなる。この攻撃性について危険ではないかと考えたが、風間監督の見方は違うものだった。

「(攻める人数が問題なのではなくて)数的不利の守備ができていなかった。あれはあんなにフリーで打たせる場面ではない。5人来たとしても、ボールは1個しか無いからね。2人いれば止められる」

攻撃の枚数の多さではなく、数的不利な場面での対応が問題なのだという認識なのである。そしてこれを徹底させるべく練習を行なったとも話す。つまりカウンターを受けた際の守備については、対応策を授けたということになる。ちなみに柏戦における2失点目のような、CB2枚の間を抜かれ、裏に走られる場面について井川祐輔と中澤聡太に聞いたが、ああした場面では二人の距離を縮めるという方向で修正が加えられそうである。

いずれにしても、柏を押し込んだボール支配率の高さは、この大分戦でも発揮される可能性が高い。そうした試合展開が予想されるからこそ、チームを牽引する宮沢正史に加え、川崎Fユース育ちであり今季北九州から移籍した木村祐志のパスには警戒が必要であろう。そしてこうした中盤からのパスを前線で受ける森島康仁を起点とした攻撃は、千葉との対戦となった昨年のJ1昇格プレーオフ決勝を見ても脅威であることは明白である。

その大分は、FC東京を大銀ドームに迎えた開幕戦でたった一つのミスにより試合を落とすこととなった。キャッチしたマイボールをできるだけゴロで味方選手に繋げようとするGK丹野研太のパスを奪われ、逆転ゴールを受けてしまったのである。ただ、試合自体は先制しており1−1のまま試合を終えてもおかしくはない戦いを見せていた。そんな大分を率いる田坂和昭監督は、降格候補といわれる現状について逆に「見返してやるんだというモチベーションになっている」と話している。また田坂監督にチーム作りについて聞いた所「自チームがあってのことです。相手に合わせることはしません。面白く無いですからね」と話していた。前からボールを奪いに行こうとする戦いぶりを見れば、引きこもる戦いとは一線を画しているのは明らかであろう。

ちなみに大分の昨季のJ2での59点のうち、49%がセットプレーからのものであると田坂監督。FC東京戦もショートコーナーからチェ ジョンハンがゴールしており、まさにデータ通りの得点を決めている。昨季のJ2リーグ6位のチームということで、楽に戦えそうだとの先入観を持っていると、思わぬ失点を喫しかねない。サッカーは何が起きるかわからない。川崎Fにしてみればセットプレーには警戒したいところだ。

なお、大分には今季川崎Fから移籍の小松塁が在籍しており、FC東京戦でも終盤に試合出場を果たしている。川崎Fは、いわゆる「恩返しゴール」を食らいがちなだけに気をつけたいところだ。

以上

2013.03.08 Reported by 江藤高志
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