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【J1:第1節 大分 vs F東京】レポート:魅惑の攻撃サッカーで21本のシュートを放ち快勝したF東京。敗れはしたが可能性を感じた大分は、これからが勝負。(13.03.03)

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4年ぶりにJ1復帰したホームの大分にとって“格の違い”を見せつけられた一戦となった。
この試合のスターティングメンバーでJ1未経験者は4人、出場30試合以下になると9人となる構成で臨んだ大分は、序盤は開幕独特の緊張から、F東京のテンポの良いパス回しについていけなかった。47秒の太田宏介のオープニングシュートにはじまり、立て続けにシュートを浴び続けた。「押し込まれることは承知の上だったし、前半も後半も最後の部分で全員が身体を張った」と田坂和昭監督が振り返ったように、苦しみながらも無失点で抑えることで勝機を生み出すしかなかった。それがJ2からの大分の必勝パターンでもあり、先制点も一瞬の隙をついてのゴールだった。17分にショートコーナーからチェ ジョンハンが得意の形に持っていく。「マークについている選手が一瞬目を外したのでシュートを狙った」(チェ ジョンハン)。左サイドから中央に切れ込み左45度から右足を振り抜いたシュートは、ニアサイドに飛び込んだ森島康仁がブラインドとなり、GKは反応できずにネットを揺らした。この先制点で硬さがとれたチームは攻守の切り替えが早くなり、カウンターに鋭さが出始めた。大分としては狙い通りのプランであった。

だが舞台はJ1。勢いだけでは主導権を握ることはできなかった。魅惑の攻撃サッカーを標榜するランコ ポポヴィッチ体制2年目のF東京は美しく、強かった。26分の同点ゴールは、徳永悠平のボール奪取からはじまり、ルーカス、高橋秀人とつなぎ、渡邉千真と長谷川アーリアジャスールのタテのワンツーから、渡邉がゴールに流し込む流麗な崩しは今季の理想とする形。この間、大分の選手は一度もボールに振れることができず、ただただ目で追うことしかできなかった。「冷静に賢く試合を運べた。これまでやってきたことがしっかりピッチで表現できた」とランコ ポポヴィッチ監督も振り返る。

ここからのF東京は、パスサッカーを主体とするチームに陥りやすいパス回しに終始するのではなく、ゴールに直結するプレーで試合を掌握した。特に東慶悟の加入でタテへの意識、速さがプラスされ、力強さが増した。3年前に大分でプレーしていたときとは別次元のプレーヤーとなって凱旋した東は、F東京をワンランク上のチームに引き上げ、大分にとって脅威の存在でしかなかった。後半も怒とうの攻撃は続き、57分に追加点を奪い、72分に李忠成、90分に石川直宏を投入し、攻撃の姿勢を最後まで崩さなかった。追加点を奪えなかったが21本のシュートを放ち、「試合内容、試合の運び方は逆転に値する試合ができた」(ランコ ポポヴィッチ監督)

圧倒的な力量差を見せられ意気消沈するかと思われた大分だが、J2時代からの打たれ強さ、粘り強さは今季も継続できている。両WBが加わった最終ラインに、さらにその前にアンカーと2シャドーの1ラインを加えた2ブロックで頑にボールをはね返し、少ないチャンスを生かす「全員守備・全員攻撃」のスタイルは通用する部分もあった。J2の6位のチームが最初から簡単に勝点を奪えるほど甘くないステージであることも認識している。だからこそ田坂監督は、「選手には決して下を向くなと言っている。このステージで戦うためには常に向上し、質を上げなければいけない」と、これまでのように一つひとつ積み上げることの大切さを選手に説いたのだ。J1の力を見せつけられたが、多くの大分サポーターは可能性も感じたはず。戦いはこれからだ。

以上

2013.03.03 Reported by 柚野真也
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