早いもので、ついに2013年シーズン開幕戦が明日に迫って来た。北九州はご存知の通り、監督を始め、スタッフ、選手も大幅に変わり、新しく生まれ変わったチーム、いやクラブの新しい歴史の第一歩を、明日刻もうとしている。

新しく監督として就任した柱谷幸一監督は「J2クラブライセンスしか持たないが、一試合一試合に全力を注ぎ、リーグ戦でサプライズを起こす」と、就任時に意気込みを語った。
それから一ヶ月半、新門司でのトレーニング、島原でのキャンプで、「北九州を熱くしたい。北九州でプレーしたい」と、集結した28名の選手達に、自らの熱いサッカー理論を注入し続けた。
その思いに応えようと、ベテラン、中堅、新卒の選手達は厳しいトレーニングを乗り越えて、明日ホーム本城のピッチに「北九州」を背負って戦う。

11人のスタメンには、何人かの新卒選手の先発が予想される。両サイドバックの、田中優毅と松本陽介、センターバックの市川恵多の3人だ。2月17日に行われたプレシーズンマッチ、Kリーグ所属の仁川ユナイテッド戦にも先発出場した、柱谷監督が期待を寄せる新人の3人だ。
この試合、サイドバックの2人は、攻撃では持ち味を見せられたが、守備面で若さを露呈してしまった。田中は「課題は分かっている。攻撃のスピードは通用したので、又あの興奮を開幕戦で味わいたい」と、物怖じする様子を見せる事なく、やる気に満ちた表情を見せてくれた。

その若い最終ラインを統率する、山形から新加入した前田和哉新キャプテンは「若手にはミスを恐れないで、チャレンジする気持ちで挑んで欲しい。北九州は人も街も熱い。あとは自分達が結果を残して、盛り上げて行くだけ」と、プロ9年目のベテランらしく、静かに闘志を燃やしていた。
攻撃のキーマン、鈴木修人選手は「メンバーが変わったからとかは、言い訳にはならない。一試合一試合大事に戦いたいし、ホームでは負けられない」と、サポーターに勝利を約束してくれた。

対する富山は、安間貴義監督になって3年目。指揮官は「合宿から順調に来ていて、開幕を心待ちにしている。一年目から取り組んできた土台が、やっと形になって来た。後ろから繋いで、ボールも人も動くスタイルを、今年は見せる事が出来る」と、辛抱強くやり続けた事への自信が、体中からみなぎっていた。
キャプテンの足助翔選手は、キックオフカンファレンスで、今季の目標についてこう語ってくれた。「現時点で、やれる事はやった。昨シーズンは、ファンやサポーターに、悔しい思いをさせてしまった。今シーズンは勝利を沢山届けて、プレーオフ圏内に進出して、一緒に充実した時間を過ごしたい」。

開幕戦まで、残り数時間。期待と不安でいっぱいのファンやサポーター達。両チームは、どんな90分プラスアディショナルタイムの、ドラマの第一話を見せてくれるのだろう。試合開始のホイッスルが、今か今かと待ち遠しい。

以上

2013.03.02 Reported by 坂本真