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【J2:第1節 徳島 vs 神戸】プレビュー:強い「一体感」を浸透させて今季へ臨む徳島。神戸との『海峡ダービー』を制し力強くシーズンの第一歩を踏み出せるか!?(13.03.03)

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新シーズンを戦うにあたって必要なものは何か。それを登録の全29選手に問える機会があった。決定力の向上や運動量のアップなど、昨季の反省も踏まえ具体的なプレー関係の事項がキーワードとして並んでくるのではないかと思われた。
しかし、違った。
「チームワーク」「ひとつになること」「団結」。表現の違いこそあるものの、ほとんどの選手が「一体感」を意味する言葉を答えとして返してきたのだ。
同じベクトルの浸透─。それがひしひしと伝わってきた。

また実際、徳島はその「一体感」を常に意識高く持ちながら開幕に向けての準備をしてきた。勝負の2年目となる小林伸二監督のもと、攻撃面ではボールホルダーに対し複数コースを作る分厚いサポートや3人目の絡みを追求し、守備においてはバランスのいいブロック形成やチャレンジ&カバーなどを妥協なく研磨。どのような場面でもひとつの集団として機能出来る組織作りを進めてきたのである。
その結果、チームは昨季よりも着実に前進したと言えるだろう。もちろんまだ細部には改善すべき部分も残るが、それでも全員で共有するブレのないベクトルのもと選手たちがまとまったいい状態になっているのは間違いない。

となれば当然、迎える開幕戦のポイントはそのような「一体感」をしっかり色濃く出せるかというところ。特に守りにおけるそれは、優れたアタッカー陣を擁す神戸が相手であることから最大の生命線とも言えるだけに、どのような状況下でも失ってはならない。肉体的にも精神的にも相当消耗するかなりのハードワークになってくるが、その徹底を90分通して粘り強くやり切らなくては。
そこでキーマンとして浮上してくるのが最終ライン中央の千代反田充だ。この新しい最終ラインの軸が如何に周囲を距離感よく束ね、一体感ある守備網を維持していくかは要注目である。

昨季の悔しさを胸に雪辱を誓う残留選手たちも、新天地での再スタートに燃える新加入選手たちも、「一体感」という一本の糸で確かに強く繋がっている。だからこそ今季には可能性を感じずにはいられないし、事実今のチームには飛躍を期待させる雰囲気が漂う。
そしていよいよのオープニングマッチは悲願達成を目指し改めて踏み出す大事な第一歩。何としても徳島は自分たちのすべき戦いをもってそれを制し、その踏み出しを力強く大きなものにしたい。

だが、そうした組織的戦いの遂行によって初戦白星を狙うのは敵地へ乗り込む神戸もまた同じ。
昨季の神戸は突出した力を持った選手を何人も擁しながらなかなか輝きを放てなかったが、その原因となったのはやはりチームとしてのまとまりを作り切れなかったことであろう。前述のタレントたちに頼ってしまったというわけではないだろうが、全員で紡ぐサッカーが十分でなかったことは認めざるを得ないはずだ。それだけに今季は選手たちがひとつの組織となっての戦いを何より意識。北本久仁衛や吉田孝行といった求心力あるベテランを中心に皆がまとまり、クラブが掲げ続ける「トモニイコウ。」を体現する戦いでこの一戦へ、7年ぶりのJ2へ挑もうとしている。
確かに一発で特別な仕事の出来る特別な数名はチームを去った。しかし今季の神戸は2012年よりもおそらく強力。変わった意識がプラスの作用をもたらしてチームとしての力量は増しているに違いない。

徳島と神戸。新シーズンの幕開けを飾る『海峡ダービー』。1/42ではない特別なこの一戦をモノにするのは果たしてどちらか!?
開始を告げるホイッスルは3月3日の13時、鳴門の地で鳴り響く。

以上

2013.03.01 Reported by 松下英樹
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