2月24日の仙台市は、大雪に見舞われた。ベガルタ仙台の練習場も雪に覆われ、多くの仙台サポーター有志のご協力により、ピッチの雪かきをして練習が可能になった。練習を前に、渡辺広大選手会長を代表としてチーム全員で御礼の言葉をサポーターに述べ、仙台は未知の舞台に向けた準備を進めた。
例年ならば温暖な宮崎県宮崎市でのキャンプでトレーニングを進めていた仙台だが、今年は予定を前倒しで進めている。その理由は、昨季のJ1でクラブ史上最高の2位という成績をおさめたことで、ACLの出場権を獲得したことである。
初めての舞台、リーグ戦と並行する厳しいスケジュール、そして開幕が早まって日程が前倒しになったことによるこの日のような練習状況。だがそれらの要素も、チームは前に進むために必要な試練だととらえている。
「このACL出場権は自分たちで勝ち取ったもの。それで得た試練は、我々をさらに高めてくれるものだと思って大会を戦います」と、就任6年目の手倉森誠監督は、新しいチャレンジに向けて意欲満々だ。「過酷なシーズンを楽しめるかということが大事」と、チームにも呼びかけたという。仙台の2013シーズンは、ホームで開幕するACLから始まる。
仙台がホームに迎える相手は、タイでふたつのカップ戦を制したブリーラム・ユナイテッド。プレーオフでブリスベン・ロアー(オーストラリア)に勝利して、この場に辿り着いた。実はこのチームと仙台は、約一年前の2012年2月18日にタイ・バンコクの地で親善試合を戦っている。90分の成績では1-1の引き分けだが、PK戦の末にブリーラムが勝利した。ブリーラムは当時のメンバーから外国人選手を中心に入れ替わりが多いものの、「縦への速さだけでなく、攻撃に幅が出ている」と、今季の映像を見た手倉森監督は分析している。
鹿児島県さつま町と宮崎県延岡市・宮崎市でおこなったキャンプで、仙台は既にこの試合を含むACL対策を練っている。「Jリーグで求められるパスワークやランニングが、アジアの相手とは違うかたちで発揮される必要も出てくる」とは手倉森監督。複数のポジションでプレーできる選手を多く抱える特長を生かし、「ACL仕様」のフォーメーションと戦い方もキャンプ中の練習試合で試してきた。
ここでそのACL仕様を踏まえた上で、今回の試合で活躍が期待される仙台の選手を二人、挙げておきたい。ひとりは今季より加入の佐々木勇人。「自分自身の経験も生かしていきたい」と意気込む新戦力は、G大阪時代にACL制覇を経験している。Jリーグで猛威を振るってきた彼のスピードは、一対一での寄せが速い傾向にあるアジア各国のDFに対しても有効で、相手のタックルが到達する前にボールをゴール近くへと進めていく。
もうひとりが3年目のストライカー・武藤雄樹だ。彼は昨年のブリーラム戦を経験し、前を向いての突破やシュートでバンコクのスタジアムを沸かせた男だ。FWと2列目をこなす選手だが、一年前のブリーラム戦同様、3トップのサイドでも大外からゴールに迫る動きが期待される。ACLを想定したKリーグ・蔚山現代との試合(2月16日)でも得点して「自分の前に向かう姿勢を生かしやすい舞台だと思う」と、アジアの舞台でも活躍を狙う。
この注目選手をサイドに配置した戦術の使いどころが、ACL仕様の仙台を見る上での注目点だ。
もちろんほかにも、奥埜博亮や藤村慶太といった、キャンプの練習試合で活躍した若手など、注目すべき選手は少なくない。記念すべき仙台初のACLマッチレポートの場で、彼らも含めた選手たちの活躍を報じられるような戦いを期待したい。
以上
2013.02.25 Reported by 板垣晴朗
J’s GOALニュース
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