・2月27日(水)広島 vs ブニョドコル @広島 19:00
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数年前から多額の資金を投入し元ブラジル代表リバウドやデニウソン、そして監督として名将フェリペ・スコラーリやジーコを招聘しリーグ戦4連覇を成し遂げたブニョドコル(ウズベキスタン)。昨年はその前までにリーグ戦6連覇をしていたパフタコールに王座を奪還され、2位でシーズンを終えた。
ACLは6年連続6回目の出場。5回すべての出場で決勝トーナメントへ駒を進めている。昨年は準決勝で蔚山現代に敗戦したが念願の優勝を目指し、今年のACLにかける意気込みは非常に強い。
監督のカシモフは現役時代にウズベキスタン代表で数々の実績を残しているレジェンド。昨年に、ウズベキスタン代表がFIFAワールドカップブラジル アジア最終予選の初戦のホームでのイラン戦で0−1で敗戦を喫したことにより前監督が翌日に解任され、このカシモフがブニョドコルとウズベキスタン代表監督を兼任することになった。彼が代表監督就任後、ウズベキスタン代表は調子を取り戻し、現在はA組首位である(2/18時点)。
基本システムは4−2−3−1。中盤のサイドに、縦へのドリブル突破が得意な選手を置き、DFラインからしっかりとボールポゼッションをしてからのサイド攻撃がストロングポイント。GKはウズベキスタン代表の不動の守護神イグナティ・ネステロフ。DFリーダーはベテランのハユルラ・カリモフ。右SBはウズベキスタン代表DFのアクマー・ショラフメドフが精力的なオーバーラップを仕掛けてくる。中盤の右サイドで力強いドリブル突破を見せていた昨シーズンのキャプテン、ヴィクトール・カルペンコが今シーズンは同リーグのロコモティフ・タシケントへ移籍するも、左サイドには不動のウズベキスタン代表MFジャスル・ハサノフがいる。前線は昨年同リーグのショルタンで14ゴールをあげたウズベキスタン代表FWイゴール・タランを獲得。身長はそれほど高くないが、中央からサイドに流れ流動的にポジションを変えてチャンスを作り、自らもゴールを奪える能力をもった万能型FWである。今大会では1トップ、もしくはトップ下での起用が予想される。
これまでの内容を見てもらってもわかるように外国人選手の名前が挙がっていない。昨シーズンはイングランドプレミアリーグで活躍していたオーストラリア代表のDFデヴィッド・カーニー、2010年南アフリカW杯で活躍したスロバキア代表MFヤン・コザック、セルビア人DFスラボルジョブ・ジョルジョビッチらが在籍するも、コンスタントに試合に出場していたのはコザックのみだった。カーニーはW杯アジア最終予選にはオーストラリア代表のレギュラーとして出場するがブニョドコルでは言葉の問題もありチームに馴染むことができずにほとんど起用されなかった。ジョルジョビッチは開幕当初から怪我を負っており、復帰して数試合出場するもパフォーマンスが上がらずそのまま契約は昨シーズンで終了した。ACL準決勝の蔚山現代戦や終盤のリーグ戦ではスターティングメンバーの11人はすべてウズベキスタン人で構成されていたことからもわかるようにウズベキスタン人選手だけでも十分な力を兼ね備えている。昨シーズンですべての外国人選手との契約を終了し、現在までには新加入の外国人選手は発表されていない。昨シーズンの終盤、カシモフ監督は記者会見で「ウズベキスタン人の選手のパフォーマンスがいいから外国人選手を使う必要がない」と発言していたように、外国人枠を使わずに挑んでくることも十分考えられる。
もし補強をするとしたら最優先は1トップの長身FWだろう。トルコキャンプでは複数の攻撃的な外国人選手をテストしていて、いまだ誰も契約には至っていないがACL開幕直前に攻撃的な外国人選手を獲得する可能性はまだある。
前述したように代表監督も兼任することになったカシモフ監督が、限られた時間の中でどれだけチームを作ることができるかが今シーズンのブニョドコルの明暗を分けるだろう。
【注目選手】
DF ハユルラ・カリモフ
34歳ベテランのCB。ディフェンスラインを統率するディフェンスリーダー。身長はそれほど高くないがバルセロナのプジョルを思わせる屈強なフィジカルで相手の攻撃をことごとく跳ね返す。熱い気持ちを持ちアグレッシブなプレーはまさに闘将。足元の技術も高くブニョドコルのビルドアップは彼から始まる。
MF ルトフラ・テュラエフ
ウズベキスタン代表MF。ブニョドコルのゲームメーカーであり、長短織り交ぜた正確なパスで攻撃のタクトをふるう。ブニョドコルのすべての攻撃は彼から始まると言っても過言ではない。ゲームメイクだけに留まらずチャンスと見るやゴール前にも飛び込んでいきゴールも奪う。昨年のACLでもグループリーグのガンバ大阪戦でゴールを決めている。
MF ジャスル・ハサノフ
左利きのウズベキスタン代表MF。サイドに張っていてボールを持つや否や縦に縦に仕掛けていくスピードに乗ったドリブル突破は脅威。左足から正確なクロスでチャンスを作る。昨年のACL準々決勝アデレード戦でも延長戦に入っても彼の運動量は落ちず幾度となくドリブル突破を試みていた。終盤になっても衰えることなくドリブルを仕掛けていくことができる選手だ。ウズベキスタン代表でも彼のドリブル突破はストロングポイントの一つになっており、昨年のFIFAワールドカップブラジルアジア最終予選アウェイでのレバノン戦でもゴールを決めている。
以上
Reported by 柴村直弥
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