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大入り満員でスタート!ヨコハマ・フットボール映画祭2013レポート(13.02.12)

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「ぼくが非常に印象に残っているのは『ベルンの奇蹟』です」

Jリーグの理事兼事業・競技運営統括本部本部長の中西大介氏は、最も好きなサッカー映画を聞かれて、楽しそうにその内容を来場者に伝えた。ヨコハマ・フットボール映画祭2013初日公演での一幕だ。

「1954年、西ドイツが戦争に負けてから初めてW杯で優勝したときの物語です。強制収容所から帰ってきたけど少し心が病んでしまったお父さんとその息子、そして当時のスター、ヘルムート・ラーン選手の絡みに、戦後の日本を想起させるような雰囲気があって、日本人のメンタリティに響きます」

2月11日(月)、選りすぐりのサッカー映画を上映しフットボールの魅力を伝える『ヨコハマ・フットボール映画祭2013』が開催された。上映会の合間には前途の中西大介氏をはじめ、サッカーアナウンサーの金子勝彦氏、同映画祭の審査委員長を務める柳下毅一郎氏のほか、各サッカーメディアの名物編集長を招いてトークショーを実施。会場は多いに盛り上がりを見せた。

最近TVメディアへの露出も多い中西氏は、大の映画好きとしても知られる。

「これは作家の池澤夏樹さんの受け売りですが、20世紀後期の文学には2つの流れがあって、ひとつはポストコロニアリズム(脱植民地主義)、ひとつがフェミニズムなんです。今回の映画祭では、それを意図しているような上映作品が揃っていることが、大変興味深いです」

この日の上映作品は、異文化との交流に奔走するアジアの女子選手たちの姿を追った「フットボール・アンダーカバー-女子サッカーイスラム遠征記」や、ヨーロッパに輸出されるアフリカ系サッカー選手の多くがホームレスになるという事実に迫る「ソカ・アフリカ-欧州移籍の夢と現実」のドキュメンタリー2作品と、サッカー映画史上に残る名作「ローカルサッカークラブのヒーロー」「勝利への脱出」の計4作品。

「最後列で観ていたら涙が流れてしまった。これは映画の完成度からくる感動ではなく、ボビー・ムーアやアルディレスなど往年のスター選手の若かりし姿を観ることができたからです」

シルベスター・スタローン主演の「勝利への脱出」を、来場者にまぎれて鑑賞した金子勝彦氏は続ける。

「この作品に出演していたペレは70年代に日本に何度か来ていました。大手デパートの広報担当の希望によって、そのデパートの屋上でペレのサッカー教室を開いたことがありました」

当時、シルクのシャツに白い毛皮のコートを羽織って登場したペレは、日本の少年に「バイシクルシュートをやって」とせがまれると、迷わず応じたという。

「そのバイシクルシュートが圧巻だったんです。とても動きが美しかった。それは今でも鮮明に覚えています」

少年のように微笑む金子氏の瞳の奥には今もあの日のペレが映っているのだろう。また、映画評論家の柳下氏は、今年の映画祭で上映を検討していたが実現しなかったサッカー映画3タイトルを発表。サッカー×ゾンビ映画「ゴール・オブ・ザ・ゾンビ」や、ガーナ代表のエッシェン選手が関わった「ローラーボール」など、サッカー通(あるいは映画通)なら一度は観てみたいと思う作品ばかりだった。

サッカー書籍を多数手がける東邦出版編集長の中林良輔氏、サッカーキング編集長の岩本義弘氏、Goal.com Japan編集長の清水英斗氏というサッカー専門誌編集長トリオによる対談は、自分ならどんなサッカー映画を作ってみたいか、というコアな話題に。

清水氏は「ぼくは以前に一度エチオピアに訪れてから、アフリカのサッカーに貢献したいという気持ちが強くあって、是非エチオピアのサッカーを題材にした映画を作ってみたいです」と将来の映画界参入への野望を語り、岩本氏からは人気サッカー漫画の実写映画化をいつか実現させたいという壮大なお話まで飛び出した。

同映画祭は16日(土)と17日(日)にも開催。計7作品を上映する。元ブンデスリーガーで現在は横浜FC会長の奥寺康彦氏をはじめ、サッカージャーナリストの宇都宮徹壱氏や西部謙司氏など豪華ゲストを招いてのトークショーも随時おこなう予定だ。
(文/出川啓太)


ヨコハマ・フットボール映画祭HP
http://yfff.jp/
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