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【第92回天皇杯 準々決勝 C大阪 vs G大阪】レポート:今季最後の大阪ダービーは、G大阪に軍配!若きC大阪、120分の激闘の末に力尽きる。(12.12.24)

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天皇杯準々決勝、年の瀬にやってきたC大阪(セレッソ)とG大阪(ガンバ)の大阪ダービーは、延長戦にもつれる激闘となったが、112分の家長昭博のゴールで勝ち越したガンバが、2−1でセレッソを下し、2010年の第90回大会以来となるベスト4進出を果たした。一方のセレッソは、昨年に引き続き、ホームの大阪長居スタジアムでのシーズンラストゲームを白星で飾れず。初タイトル獲得の夢は、来季以降に持ち越しとなった。

曇り空が広がり、ほんの少しではあるが雨も細かく落ちていた大阪長居スタジアム。今季J1では最後に明暗が分かれたセレッソとガンバが、直接顔を合わせ、その大阪ダービーもこれから約1年間は見ることができなくなるということもあってか、寒空のなかでも、試合前から大勢の観衆が詰めかけていた。桜色と、青と黒、双方のコントラストも鮮やかであり、ボルテージも上がったなかで、大一番を迎えた。

試合に入ると、これが来年からJ2に降格するチームだろうかというほど、ガンバの強さが目立ち、セレッソとしては「自分らのサッカーができひんかったことが、90分とか延長を通して一番(の敗因)」(酒本憲幸)だった。

4回戦で清水に快勝した勢いをそのままに、17歳の南野拓実、20歳の杉本健勇が並ぶ2トップをはじめ、2試合連続同じスターティングメンバーで臨んだセレッソ。開始早々こそ、ガンバのミスから決定機を作ったが、その後は「ガンバの本当に強い、激しい圧力に、なかなか攻撃でボールを握れない時間が続き、前半を総括したとき、よく0−1で折り返したなというのが、正直な印象」と小菊昭雄コーチも認めるように、ガンバの遠藤保仁、今野泰幸、レアンドロらをはじめとする攻撃力を食い止めることができず。二川孝広の突破から、最後は遠藤にヘッドで押し込まれた19分の失点は必然の流れであり、スタジアムには「ガンバ! ガンバ! もっと行ったれ!」という応援コールだけが響き渡っているような状況だった。

前半をいいところなく終えたセレッソ。「このままだと2点目、3点目を入れられるリスクの方が大きい」(小菊コーチ)との判断から、ハーフタイムで動く。負傷明けで、今週から約1カ月ぶりに全体練習に合流していたばかりの柿谷曜一朗を投入。システムを、練習でも試したことのなかった3バックに変更し反撃に出ると、この小菊采配がズバリと当たる。後半開始早々の49分、決めたのは今季のチームの顔でもあったエースの柿谷。丸橋祐介の縦パスから、杉本との連係で相手DFを突破すると、ガンバGK武田洋平の足もとを抜くシュートでゴール。その瞬間から、ようやく桜色のサポーターが爆発し、スタジアムの雰囲気は一変した。

1−1となってからは、セレッソにもガンバにもチャンスが訪れ、緊迫の展開となっていたが、「自分たちのいい時間帯のときに、追い付いたあと追加点を取れなかったことがよくなかった」と振り返ったのは、山口螢。途中で攻撃の軸の1人である丸橋を負傷交代という形で下げざるを得なかったこともあり、再びガンバの攻勢を浴び、防戦を強いられた。

それでも、前半から好セーブを連発するGK松井謙弥をはじめ何とかしのぎきり、延長に入ってからは播戸竜二も投入して勝ち越しを狙っていたが、最後はガンバのストロングポイントの1つ、遠藤の蹴るフリーキックから、元セレッソの家長に押し込まれ、勝ち越し点を献上。そこから反撃する力は、残念ながらセレッソに残っていなかった。

レヴィークルピ監督も外国籍選手も不在で、藤本康太ら主力も負傷欠場するなか、純国産布陣、しかも、後半には柿谷、南野、杉本、丸橋、山口、扇原貴宏とアカデミー出身の選手が6人も並び、酒本、山下達也といった高卒選手も含めると、セレッソ生え抜き選手が8人も占めるようなチームで、小菊コーチのもと一丸となって戦い抜いたセレッソ。だが、現実は厳しかった。公式戦5試合ぶりの大阪ダービーでの敗戦となり、試合後はガンバイレブンが輪になって踊る姿や、ガンバサポーターのチャントを見続けるしかなく、長居を占拠されるような屈辱も味わった。ただ、「選手はギリギリ限界の、最後のところまで戦ってくれたと思う。本当に素晴らしい準備をしてくれた選手たちには感謝の気持ちでいっぱい」と、小菊コーチは若きイレブンを最後まで称えていた。

逆にガンバは、「前半の入りも非常によかったと思うし、ほぼパーフェクトなゲーム運びをできた」と松波正信監督。「天皇杯、最後まで全員で戦う気持ちというのは、非常に出たんじゃないかなと。選手たちがよく最後まで走ってくれた。ピッチにいる選手だけじゃなく、チーム一丸としての勝利だった」と指揮官も絶賛するような内容で、宿敵を振り切り、大阪の雄としての意地を示した。「今日はとにかく負けたくなかった。闘争心を持って、すべては勝つためにやっていた」と中澤聡太。前半からガンバらしいボールポゼッションでセレッソを圧倒しただけでなく、最後は精神力でも差を見せつけた。それでも、「うれしさもあるけれど、反省しなくちゃいけないところは反省しなくちゃいけない」と今野は厳しい表情を崩さず。伝統あるチームは、今季の悔しさを払拭すべく、あくまで天皇杯制覇だけを見据えていた。

以上

2012.12.24 Reported by 前田敏勝
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