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【2012Jユースカップ 準決勝 広島 vs 札幌】レポート:ラスト15分で5得点の札幌が、昨季2敗の広島にリベンジ。広島は悔しい森山監督ラストマッチに…。(12.12.23)

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サンフレッチェ広島F.C.ユースは、昨年と同じ失敗を犯さなかった。平田惇主将は「終った後にみんな泣いていたくらい、気持ちのこもった練習ができていた」と1週間の準備を振り返る。12月16日に、高円宮杯U-18プレミアリーグのチャンピオンシップ連覇を決めて中5日。昨年の準決勝は前半だけで3失点を喫している広島だが、同じような緩みはなかった。退任する森山佳郎監督、山崎真コーチへの思いもある。熱血漢の森山佳郎監督をして「気持ちが出過ぎるぐらいのところまでいっていた」と言わしめる昂ぶりを、チームは見せていた。

しかしコンサドーレ札幌U-18も、この試合にかける思いは変わらなかった。「今日はいつも以上にみんなの気持ちがこもっていた」という四方田修平監督の言葉を借りるまでもなく、札幌は序盤からいつも以上のハードワークで“思い”を表現する。6名のトップ昇格が決まっている札幌は、負傷の深井一希を除く5選手がこの試合に出場。広島のハードプレスには高度なスキルで対応し、守備を剥がす、抜くプレーで守備を無効化させる。広島は「なかなかボールを取り切ることが出来なくて、保持された」(平田)という状態で、札幌のポゼションを許してしまった。

それでも広島が粘り、前半は一進一退。シュート7本の札幌が、シュート4本の広島をやや上回ったという展開だったが、スコアレスで試合は折り返す。後半は広島にも決定機が訪れる。51分、平田惇が右サイドに開き、野口翼は左足に持ち替えて折り返す。大谷尚輝がヘッドで落とし、川辺駿はエリア右からシュートを狙った。かなり決定的な場面だったが、GK阿波加俊太は足でブロック。試合の均衡はなかなか崩れない。

札幌は80分過ぎから、一気に流れを取った。84分に下田康太のシュートが枠を捉えると、86分からは決定機が1分おきに3回続く。まず86分、國分将のスルーパスから小野能寛がエリア右に走り込んでシュート。87分には中原彰吾がドリブルで切れ込んでシュート。88分にも下田のポストプレーから神田夢実がシュート。しかしシュートは枠の外、上と外れ、勝ち越し点を奪えない。札幌がボール支配で上回りつつも、0-0で前後半の90分が終了する。

10分ハーフの延長戦に入ると、試合は大きく動いた。札幌は下田、藤井慎之輔の“スーパーサブ”が大仕事を見せる。95分、近藤諒大のフィードから藤井がエリア左に抜け出し、マイナスの折り返しを中に入れる。下田のシュートは当たりこそ弱かったが、GKの脇を抜け、DF2人のカバーも及ばずゴールイン。札幌が先制する。「高校生年代のチームの中で、一番逆転の多いチームじゃないかな?」(森山監督)という広島も、持ち味の粘りを見せる。96分には左サイドのリスタートから野口が折り返し、川辺駿のバックヘッドがネットを揺らす。スコアは1-1。ものの1分間の同点劇だった。

しかし“そこから”が札幌の成長だった。相手は昨年11月、12月と大一番で2連敗している広島だが、神田夢実は「苦手意識というよりは、同じ相手に3度も負けられないという気持ちが強かった」と振り返る。堀米悠斗主将は「追いつかれたんですけど、そこでも気持ちが切れなかったことが勝てた要因」と誇る。彼らは追いつかれた負い目を引きずらず、より強い気持ちで広島に襲い掛かった。札幌は延長前半10分には下田が右サイドに展開し、中原は中に折り返す。藤井が右足ボレーを合わせて、再び広島を突き放した。

札幌のパスに振り回されたことで、「じわじわボディブローを喰らいながら立っているような状況」(森山監督)だった広島が、ついに膝を屈してしまう。「ゴリさん(森山監督)と山崎コーチを胴上げしたい」「23日にプリンス参入戦を終えて合流する、Bチームの仲間と共に喜びたい」という願いに支えられていた彼らも、限界だったのだろう。
延長後半はもう完全に札幌ペースだった。リードを奪っていても守りに入らないのが彼らの流儀である。選手同士が「やることは変えるな」と声を掛け合った札幌は、前がかりとなった広島DFの裏に決定的なパスを供給し、守備を脅かし続ける。103分には小野が中に切れ込んでラストパスを送り、神田がチーム3点目を流し込む。107分にも中原のパスカットから下田が決め、109分には堀米が右サイドから切れ込んで、トドメの5点目を決める。先制点から14分、ラスト15分で5得点という電光石火のアタックだった。90分で1点も入らない“堅い”展開から、延長の20分間は6ゴールという打ち合いとなった。

ファイナルスコアは5-1。札幌が難敵・広島をついに克服した。Jユースカップを制すれば、クラブにとって初の全国制覇であり、「北海道の歴史を変える」ことにもなる。コンサドーレ札幌U-18は、そんな偉業まであと1勝だ。

以上
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